今年大統領になって強権的に麻薬犯罪取り締まりをして一躍有名になったドゥテルテさん。
大統領になってからもフィリピン国内での人気はすさまじく、支持率90%という状態ですが、
国際的にはあんまり評判がよくないようで、人権団体などからは批判が相次いでいます。

(写真はネットより転載)
そんなドゥテルテ大統領が、年末になってものすごいことを言いだしました。
「来年から国民全員に健康保険を適用する」
「来年から国公立の大学の授業料は全部無料にする」
えええええ?それ、実現したらものすごいことなんですけど。

財源はいったいどこに?と思ったら、フィリピンは経済成長が著しく、来年度の国家予算が3兆ペソ以上(約7兆円)あるとのこと。
6年前は1.5兆ペソだったので、なんとこの数年で2倍になってるんですね。驚きです。

(写真はネットより転載)
そして、そのお金が、これまでは政府による利益誘導で、各地の有力者に開発予算としてばらまかれていたんですが、
ドゥテルテ政権はこれを全部やめて、上記の健康保険と大学授業料の無料化に使うことにした、というわけです。

(イラストはネットより転載。利益誘導を英語で「Pork Barrel」といいます)
そんな、今から言い出して来年ってもう再来週だけど、間に合うわけないよね?って感じですが、その意気やよし、です。
フィリピンという国の大きな問題は「医療と教育に貧富の差がはっきりと出る」ことだとずっと思ってきていましたが、
その点に大きな改善の意思がみられるわけです。これは期待したいですね。

でも、利益誘導で得をしていた既得権益層からの反発は必至です。
ミンダナオ島は特に利益誘導が酷かったようなので、これが新たな火種となって問題が起きないか、ちょっと心配です。
今後も動向を見守りたいと思います!