絵のワークショップの話の続きです。まずはこの絵をご覧ください。
「幸せの絵」と言われてリッキーBは迷わず海で魚を獲っている絵を描き始めました。
いちばんお絵描きとかをして過ごす少年時代に、ペンも紙もないような山で暮らしていたこともあって、
年齢の割にはずいぶんシンプルな絵ですが、ちゃんとシュノーケルとマスクをつけた人物が
モリで魚を突いている絵になっていますよね?
ですが、周りのみんなが驚いたのが、この色です。なぜか一面緑色。
ソーシャルワーカーとして「こどもの描いた絵は否定しない」訓練を積んでいるはずのエイプリルさえ、
「え?なんで緑に塗ってるの?」と戸惑っていました。何かの心理的な表れ?とか難しく考えたりもしたんでしょう。
でもみなさん、これ、めちゃくちゃリアルなんですよ!毎回リッキーBと一緒に潜っている私が証言します。
先週の日曜は波が高くて砂が巻き上がっているせいで水が濁っており、水中はまさにこんな色だったんです。
リッキーBは、「海は青」という固定観念に流されず、自分の見た色を、塗ったんですよ。
今回は、私が一緒に潜っていて、写真まで撮っていたのでよかったですが、
実はこういうことって、しょっちゅう起こっているんじゃないかという気がします。
こどもが「こうだった!」と主張していることがあまりにも「常識」とかけ離れているから、
嘘をついてるんじゃないか?それとも、何か心に問題をかかえているんじゃないか?などと考えてしまう。
これ、よくやりがちですよね?
海は緑色の日もあるし、緑色のクワガタだっているし、光るサメだっているんです。
もっと言えば、誰かにとっては青の範疇に入る色が、他の誰かにとっては緑だったりするのは当たり前。
さらにさらに言えば、あなたの考える青と私の考える青が同じかどうかは絶対に証明不能です。
「常識」にとらわれず、こどもたちの視点に寄り添っていきたいですね。