私が作画している漫画「ボニファシオ」の第8話が公開されています。
いよいよスペイン軍とフィリピン革命軍の戦いが本格化する中、
この話ではついにスペイン軍が「セブアノ兵」をぶつけてきます。
フィリピンは多民族、多言語、多文化の国です。
言語はザックリ分けてもこの図くらいの差があります。
しかも100年以上前となると、今以上にお互いにまったく通じなかったでしょう。
この漫画はボニファシオやアギナルド、マニラ近郊の人物を中心に描いていますが、
ここに出て来るスペインの側に立って戦う「セブアノ兵」たちにも、彼らなりの想いや正義があったはずです。
お互いの正義を振りかざして、言葉が通じない相手と殺し合う。
そんな悲劇が世界中で繰り返されています。(地図は「武力紛争が進行中の地域」。色が濃いところほど死者が多い)
そして、もっと厄介なことに、同じことが言葉が通じる相手との間にも起きています。
現在のフィリピンでは、大統領と副大統領が、お互いを殺すと言って脅し合ったりしている始末です。
昔から繰り返されていることだから仕方ない、とあきらめるのか、
歴史に学んで繰り返さない方法を考え続けるのか。常に後者でありたいと思います。