先日のパーティーでは、久々に豚の丸焼きを準備しました。
しめた豚を持ってきてもらって、庭で職人さんに焼いてもらったんですが、
日曜だったこともあり、息子さんを連れて来て手伝わせていました。
そこで、これはいい機会だぞ、と「ブタの丸焼き職人」さんにインタビューしてみました。

「俺は48歳。コレが本業だけど、コレの仕事はいっつもあるわけじゃないからな。
そんな時はセメントブロックを作る現場で働いてるよ。こどもは6人。全員学校に行かせてる。
一番上は大学生だ。俺はな、いつも息子たちに言ってんだ。
『勉強しろ。しないと熱い火の前で一生働くことになるぞ』ってな。(笑)」
生きている豚を手配し、屠殺し、毛を削ぎ、内臓を抜き、ヤシの殻を集め、火をおこし、
3時間かけてじっくり焼く。半日かかるこれだけの作業で、だいたい収入は2000円くらいです。
それでこどもたちを全員学校に通わせている、というのは、かなりの働き者に間違いありません。

「この仕事は親父の手伝いをして覚えたよ。親父も、爺さんも、ずっとこの仕事だったからな。
でも、息子たちには継げとは思わんよ。なのによ、コイツ、もう学校行かずに俺の手伝いをするとか言いやがる。
まあ、別にそれならそれでいいんだけどよ。俺のナワバリは渡さねえぞ。別の町でやれ、ってなもんだ。(笑)」

自分の仕事の大変さをかみしめた上での誇りと、こどもたちへの厳しさと愛情が、
すごくシンプルな言葉の中に詰まっていて、カッコイイ大人だな、と思いました。
手伝わせてもらった日本の高校生たちも、何か感じ取ってくれていれば幸いです。
この二カ月の間に、何度かこちらの学校現場を見る機会があったので、その時に気づいたことを記します。
まずは「学校の教室の装飾をなくす政策」ですが、まだ続いているようで、教室はまっさらでした。
以前は生徒たちにポスターを作らせて、壁に貼ってポスターセッションのような活動をよくやっていたので、
最近はどうしているのか先生に聞いたら、1日だけ壁に貼って、放課後に回収しているとのことです。
はやくこのおかしな政策、忘れられてほしいです。

いくつかの教室に入ってみて「あれ?以前よりも男子の数が増えてる?」と感じました。
以前は田舎の高校は女子の比率が圧倒的に高かったんですよ。
校長先生に確認したら、確かにここ1~2年で男女比は埋まってきているとのこと。
「理由は何だと思いますか?」と校長先生に聞いたら
「本来落第するはずだった勉強しない男子たちがコロナ禍の『宿題提出』で生き延びちゃったのかしらね」と
冗談交じりに言っていましたが、あながち冗談でもないかもしれません。

2年間対面授業がなかった影響はものすごいそうで、特に現在の中2、中3あたりの子たちは
小学生レベルの英語力で中学生になってしまっているので、元の指導要綱のレベルに戻るのは大変、とのこと。
ちょうどHOJのジャンジャン、リッキーガマイたちの学年ですね。
世界で一番長い期間、対面授業をやらなかったツケが今後どう出て来るのか、注意を持って見守りたいと思います。

それにつけてもこの2ヶ月、何度か学校に行って強く感じたのは「授業時間なのに授業をやってない教室が多い」ことです。
以前からこの傾向は強かったですが、さらにひどくなっている気がします。
これはひとえに、フィリピンの学校教師の評価システムが「課外活動偏重」であることの弊害で、
要するに先生たちは教室で授業をしているより、授業を休みにして研修や出張に行った方が給料がよくなるんです。
教室の掲示物をなくすことや、大学進学率の数字を上げるために高校の成績の付け方を甘くするような
バカげた「教育改革」をする前に、「ちゃんと授業をする」という当たり前のことを徹底してほしいと思います。

あ、批判ポイントばかりではありません。がんばってる部分もありました。高校に聴覚障碍者クラスができてたんです!
これまでは小学校までしか聴覚障碍者クラスは無かったので、小学校卒業後も
小学校のそのクラスに通って中学校の勉強を先生に個別で見てもらう、みたいな感じだったんですが、
今年初めて受け入れを始めたそうです。

ただ、先生もそういう免許を持っているわけではないので、生徒たちと一緒に手話を学びながら
文字通り手探りでやっているとのこと。素晴らしい試みですね。何かのかたちで応援していければと思います。
2月から切れ目なく続いていたビジターさんラッシュもついに完了!
この2ヶ月だけで50人以上の方がHOJに来て、こどもたちと遊んでくれました。
みなさん、本当にありがとうございました!

さすがに疲れ果てたので、今日と明日はのんびりさせていただきます。
明後日くらいからまたちゃんとブログは更新しますのでご心配なく!