アビゲルたちがお母さんのもとに帰る…ついにこの日がやってきました!
本当に待ちわびた、そして、ある意味恐れていた日です。

車にスタッフと6人兄弟、総勢15人も乗り込んでお母さんが住んでいる「バガンガ」という町へ!
ミンダナオ島の東海岸部にある町で、HOJからは車で3時間以上かかる場所です。
太平洋側に面しているので、HOJのそばの海とは風景が全然違って、異国に来た雰囲気です。

町の福祉局でお母さんと会い、ソーシャルワーカーを交えて正式な話し合いをし、
アビゲル、アンジェロ、シエラ、アイアンの4人がお母さんの元に帰ることになりました!

ロウィーとジョリーナは夏休みだけ一緒に過ごして、6月からはまたHOJに戻ることにしました。
このまま実家に戻ったら弟たちの面倒を見たり、親の仕事を手伝ったりしなければならなくなり、
ちゃんと学校に通えなくなってしまう懸念が大きいからです。

この1年間、まさにHOJのアイドルだったアビゲル。この子がいない日々の寂しさは言葉にしようがありません。
でも、一緒に暮らせることになって本当に喜んでいる母と子の姿を見れば、これで良かったのだと思います。

アンジェロも本当に人懐っこい、かわいい子でした。
こんなにおいしそうにご飯を食べる子はこれからもなかなか現れないかもしれません。

シエラはジェリカとジョイジョイという親友に囲まれて、本当に楽しい1年をHOJで過ごしました。
気が強くてしょっちゅう周りの子とケンカしていましたが、翌日にはスパッと水に流せる、きっぷのいい子でした。

アイアンは学校をさぼりがちで、スタッフたちからは問題児扱いされることが多かったですが、
ものすごく絵が上手で、HOJにいた間に、本当にたくさん一緒に絵を描きました。
その絵を母親に「これ僕が描いたんだよ!」と自慢げに見せている姿を見て、胸が熱くなりました。

なにしろ片道3時間以上、車で行くとガソリン代が2500ペソ(約7000円)もかかる場所なので、
そう頻繁には行けませんが、今後もぜひとも、この子たちの成長は見守りたいと思います。
「ガソリン代は出すのでアビゲルたちに会いに行きたいです!」という滞在希望の方、大募集ですよ!
さて、この旅は実はこれだけではありません。続きがあるんです。その話はまた明日!
2003年に1歳でHOJにやってきたジョアンも、ついにHOJを卒業することになりました!
HOJで暮らすこと12年。その成長こそが、HOJそのものの価値と言っても過言ではありません。

まったく笑わない子だったジョアンは、HOJに来てから半年以上かかってようやく笑うようになりました。
普通なら親に微笑みかけられることで覚える「笑顔」を、ジョアンはHOJでこどもたちから学んだんです。

HOJで物心がついているので、幼いころは実家に全く親近感を覚えることができず、
夏休みなどに短期間だけ実家に連れていくだけでも泣き叫んで大変でした。

でも、実家との交流を12年間根気よく続けてきた結果、ついにジョアンは笑顔で実家に帰れるようになりました。
本当に長い期間を必要としましたが、「もうこの子は笑わないかもしれない」と言われた子が、
ここまでこれたということを、HOJは誇りにしたいと思います。

そう遠くない場所で暮らしているので、今後もHOJの奨学生としてハイスクールに通い続ける予定です。
今後の成長にもご期待ください!
そしてジョイジョイ。2013年に、一足先にHOJに入っていた姉のクリスティンが、
学校まで山を歩いて2時間近くかけて通っている妹を、HOJに入れてほしいと頼んできたことから、
ジョイジョイはHOJにやってきました。全財産はサンダルとビニール袋ひとつの着替えだけ…。
電気もない山の上で大きく歳の離れたお姉さんと住んでいたジョイジョイは、
はじめは同年代の子たちとの遊び方も分からないほどでした。

それが、HOJで2年間暮らすうちにどんどん元気になり、周りの子とも仲良くなりました。
特に歳の近いジェリカ、シエラとは親友以上の絆で結ばれていて、
遊ぶのも、眠るのも、学校をさぼって叱られるのも、家出するのも(笑)一緒でした。

マニラに出稼ぎに行ったきり戻ってこなかったお母さんが去年見つかり、
ようやくジョイジョイを引き取る準備ができたということで、実家に戻ることになりました。
アナマリスたちとは従妹同士で、すぐそばに住んでいるので、
これからも多くの兄弟、従姉妹たちに囲まれて、楽しく暮らしていけることでしょう。

毎日少しずつ寂しくなっていくHOJですが、いつか「孤児院からこどもが1人もいなくなる日」が来ることが、
一番いいことであるのは言うまでもありません。
そうなったら私も晴れて無職です。(笑)
いつかその日が来ることを祈りつつ、食べていける技能を磨くことを怠らずにいようと思います。
2008年5月に3姉妹で入ってきたジュヴィー、ジョリーナ、ジェリカの3人が、
7年のHOJ生活から、ついに旅立ちの日を迎えることになりました。
こんな表情で入ってきたころが信じられないくらい、明るく、にぎやかで、かわいい3人でした。

ジョリーナはHOJから車で約30分ほどダバオ方面に行ったところにある
米どころの町、バナイバナイに住んでいる叔母さんの家に引き取られることになりました。
目の前が見渡す限りの田んぼで、平和そのものの場所です!

HOJ滞在中に描いた絵や、ダバオに行ったときに自分で選んで買ったDVD、
そしてビジターにもらったおもちゃやアクセサリーなどを、本当に大事そうに持ってきていました。
ジョリーナにとっては、いつまでも大事な宝物なんですね。

親戚のおばさんやいとこのお姉さんも、ジョリーナを大歓迎してくれました。
明るい雰囲気の家で、これならきっとうまくやっていけると確信が持てました。ジョリーナ、幸せにね!

さすがに別れの瞬間には思い出がこみ上げて泣き出したジョリーナですが、
夜には「そっちはみんな元気?私は新しい家で元気にしてるよ!」と、叔母さんの携帯電話から
HOJのスタッフ宛にメッセージが届きました。返事を送ったら立て続けにメッセージが戻ってきて、
ジョリーナはいなくなってもおしゃべりなのね、とスタッフと大笑いしました。
ジェリカは同じくバナイバナイの、ちょっとはずれの海のそばで
小さなお店をやっている親戚の家で暮らすことになりました。
引き取ってくれたのは、ジェリカのお婆さんの弟にあたるおじさん夫婦です。
以前から夏休みはこの家で過ごすことが多かったので、ジェリカとおじさんは大の仲良しです。

というか、このおじさんとジェリカ、立ち姿や歩き方やリアクションが、なんだか妙に似ているんですよ。
超かわいいジェリカと、このオッサンのどこが?と思うかもしれませんが、分かる人には分かるはず。(笑)

長年HOJで末っ子のポジションで可愛がられて育ったジェリカも、気づいてみればもう10歳。
6月からはなんと、5年生です。今後もときどき様子を見に行って、成長を見守りたいと思います!
そしてジュヴィーですが、なんとHOJから歩いて5分ほどのところに住んでいる叔母さんの家に行くことになりました!
近すぎてHOJを卒業する実感がわかないレベルです。(笑)
そんなにすぐ近くなら、引っ越しは歩きでいいよね、と思ったら、「荷物が多いから車で行きたい」とのこと。
なーにを大げさな、と思ったら、本当にものすごい量でした。(笑)

ジュヴィーはものすごく物持ちがいい上に、人気者で他の子たちから餞別に大量の服や靴をもらったものだから、
こんな量の荷物になったんですね。
ビジターにもらったアクセサリーやぬいぐるみ、一緒に作った折り紙、自分で描いた絵に加え、
ずっと使っていたゴザなんかも持っていこうとして、スタッフから「それは置いていきなさい」と笑われてました。
前に会ったときはあまりいい表情を見せてくれなかったので、この親戚のおばさん夫婦の家に
この子を預けることに、私は少し不安があったんですが、そこはさすが、ジュヴィーです!
引き取られることが決まってから、何度もこの家との行き来を繰り返し、すっかりいい関係を築き上げていました。
おばさん夫婦も笑顔で大歓迎してくれました!

本当に近所なので、いつでも会えます。土曜に海に行くときなんかは一緒に行く気満々です。
一番面白かったのが「豚の叫び声が聞こえたら、丸焼きを食べに来るね!」との一言。
ジュヴィー、最後まで笑わせてくれてありがとう!ってか、最後じゃないんだけどね。(笑)
笑顔をなくしたこどもたちがHOJで笑顔を取り戻し、そして涙のお別れをして、笑顔で親戚の元に帰っていく…。
これこそが、HOJのあるべき姿です。大成功といっていいでしょう。
正直、この3人がHOJからいなくなることは、私には耐えがたいほど寂しいことですが、
こうやって一緒に育った仲間たちが巣立っていくのをHOJに残って送り出している子たちの寂しさは、
私なんかの比じゃないはずです。
そんな子たちに寄り添って、お互いに一緒にいる時間を大事にしたいと思います。