今日は4時起きで準備して、ジャンジャンの実家のあるカティイルに行きました。
ハウスオブジョイからは車で片道4時間以上かかる距離です。
簡単に行ける距離ではありませんし、夏休みにもサッカーの大会があったりしたので
ジャンジャンは2022年以降、「里帰り」はしていませんでした。
ですが、これまでは年に一度はこちらから報告すれば返事があったカティイルの福祉局から、
去年以降まったく返信がなくなったので、状況を知るのも兼ねて、久々に行ってみよう、となったんです。
(写真は2022年の里帰りのとき)
到着してすぐに違和感がありました。家がない!?
行ってみると、ボロボロだった木造の家はすっかり取り払われ、土台のセメントだけが残っています。
え?どういうこと?と近所の人に尋ねたら、なんと、ジャンジャンのお母さんは去年病気で亡くなり、
お父さんと兄弟たちは、同じ地区に住むおばあさんの家に住んでいるとのこと。
行ってみたら、72歳のおばあさんがこどもの面倒を見て、45歳のお父さんが働いて、
13歳の娘、11歳の息子、9歳の息子、6歳の娘、4歳の娘を育てているとのこと。
まさか、連絡が取れない間にそんなことになっていたとは…。
9歳の息子はコロナ禍の時期が入学の時期と重なっていたこともあり、まったく学校には通っていないとのこと。
目の前が大きな田んぼなので、そこの仕事を手伝って小遣いをもらって暮らしているそうですが、
これって完全に児童労働です。おばあさん、お父さん、こどもたちとじっくり話して、
9歳の息子と6歳の娘はハウスオブジョイで受け入れを検討することになりました。
とはいえ、親の承諾があっても、このまま連れて行くわけにはいきません。
あくまでもハウスオブジョイは私立の施設なので、公的機関である福祉局からの要請というかたちで
手続きを進めないと、こどもたちを勝手に受け入れることはできないんです。
福祉局にお父さんとこどもたちを連れて行き、手続きをしようと思ったら「担当者が不在なのでまた後日」と
返されました。そもそもジャンジャンのお母さんが亡くなったときにも、お父さんはジャンジャンに連絡するために
福祉局に来たそうなんですが、その時も「連絡先が分からない」と、何の対処もしてもらえなかったそうです。
おそらく今は選挙の準備に公務員たちがこぞって駆り出されているので、そっちが優先されているのでしょう。
まったくふざけた話です…。
福祉局の次にはお母さんのお墓を訪ねました。10代の頃から13人のこどもを産んだお母さん。
全員とはいきませんが、こどもたちは私たちが見守りますから、安心して天国で休んでくださいね。
今日のうちに弟と妹をハウスオブジョイに連れて来ることはできませんでしたが、
なるべく早いうちに受け入れられるように動きたいと思います。
待っていると本当に福祉局は何もしてくれないので、必要なら近いうちにまた行くつもりです。
夏休みの里帰りで、ビバリーとダーウィンが祖父母の家に行くことになりました。
道中、「パン屋さんに寄って」と言って、先日の卵さがしの賞金で、おじいちゃんの好きなパンを買うビバリー。
いい子すぎる…。
ダーウィンたちの祖父母の家は、世界遺産に登録されている山、ハミギタンのふもとにあります。
いくつかの川を渡り、最初のうちは周りにぽつぽつと家もありますが…
途中から完全に山、という感じになります。ヤギが放牧されている関係で下草が少なく見晴らしのいい丘になってます。
この牧歌的な雰囲気、素敵ですねえ。「ここから家まで遠いの?」とビバリーに聞いたら
「HOJからセブンイレブンくらいの距離」と言うので、5分くらいなのかと思ったら、
20分以上山の中を歩きました。(笑)なるほど、これがビバリーの底なしの体力の秘密か。
丘の上の手作りの小屋には、祖父母が畑をやりながら暮らしています。
私たちの来訪をもてなそうと、畑のキャッサバを収穫するおじいちゃん。会って数分でいい人なのが分かります。
なるほど、ここで育ったことが、ダーウィンとビバリーのまっすぐさにつながっているのか…。
動画を撮ったのでぜひご覧ください。まさに「アルプスの少女ハイジ」のミンダナオ版って感じです。
貧しくも丁寧な暮らしの雰囲気が本当に素敵ですよ。
とはいえ、ここで暮らして、毎日学校に通うのは現実的ではありません。
世界が資本主義とかでないなら、こういう暮らしのほうが、むしろ幸せなんだと思いますが、
この土地だって「誰かの所有地」ですから、急に追い出される可能性だってないわけじゃないんです。
ハウスオブジョイから学校に通って、しっかりした仕事について、
いつかこの山を自分たちで買って所有できたりしたら素晴らしいですね。
ダーウィンくらい真面目なら不可能な夢ではないので、応援していきたいと思います。
ダーウィン、ビバリー、楽しい夏休みを過ごしてね!
マイカが高校を卒業したこのタイミングで、妹のクイニーも実家に帰れることになりました。
2人とも、おめでとう!
マイカは2019年に、クイニーは遅れて2020年にHOJにやってきました。
施設に入ってすぐにコロナ禍が始まり、2年以上に渡って実家に帰ることもできず、学校にも通うことができず、
一緒に過ごすことになったわけですが、そのぶん、「濃い」HOJ生活でした。
2人とも実家から学校を続けます。マイカの将来の夢はソーシャルワーカー、クイニーの夢は警察官。
夢がかなうように、できる範囲でこれからも見守っていきたいと思います。
マイカ、クイニー、今までありがとう!夢に向かってがんばってね!