学校からついに「独習用教材」が届きました。
まあ、届く、って言っても保護者が取りに行くシステムですけどね。
密にならないように、学年ごとに取りに行く曜日が分けられていて、
今日は中学生、高校生のぶんが配布されました。
フィリピノ語、英語、理科、数学などの他、アートや道徳などの教科もあります。
それぞれの教科ごとに10ページくらいのプリントが冊子になっており、
これを全部1週間以内にやって提出しなさい、ということのようです。これは結構な量ですよ。

中身はこんな感じ。これは中一の数学のプリントです。
数学なら得意分野だぜ!と思って見てみたら、これ、最大公約数についての章ですが、
なにやら見たこともない□を使った謎の教え方がされており、え?なにこれ?という感じです。
うーん、これを習ったことのない子たちが独習するのって…無理じゃないですかね?

こどもたちに実際に見せてみて「どうだ?これできそうか?」と聞くと、見事に苦笑い。
まあ、うちはスタッフたちがいますし、大卒のソーシャルワーカーもいますし、
教員免許持った私もいますし、いざとなれば家庭教師を雇うことも不可能ではありませんから
なんとかなるとは思いますが、一般家庭はこれ、どうするんでしょうか。
そもそも地域によっては親がこのプリントを学校に取りに行ってる家庭の方が珍しいかも…。

さらにはこの宿題、もらってきたのを終わらせたらまた保護者が学校に持って行って提出し、先生に採点してもらうんですが、
その「もらう時」と「提出する時」には、学校指定の「透明なフォルダ」に入れて出さねばならないことになってます。
この透明フォルダは学校で「え?そんな値段するっけ?」という値段で売られていて、
頭にきたので隣町で半額以下で同じものを人数分買いそろえました。
車を持っているHOJではこういった対応も可能ですが、果たして一般家庭、しかも貧しい家庭となると…。
経済格差がもろに教育格差として顕れてきそうです。

そもそも10か月かけて学校で教師たちが教えていた内容を、6ヶ月で各家庭でやれという話が無茶苦茶です。
じゃあ他に何かいい案はあるのかと言われると難しいですが、もうちょっと他に方法はなかったんですかね。
まあ、文句ばかり言っていてもしょうがないので、まずはこの方策に乗って、できる限りの努力はしてみたいと思います。
昨日はリッキーBの15歳の誕生日でした。
「何食べたい?」と聞くと「アイスクリーム!みんなのぶんも!」と言うので、
さっそく買ってきてみんなで食べることにしました。
いざ記念撮影!となると照れちゃうあたりもリッキーBらしいです。おめでとう!

今でこそHOJの「頼れる兄貴分」ですけど、3年前に入ってきたばかりの頃は本当に大変でした。
なにしろ30分おきに誰かとケンカするし、ケンカするとすぐに手が出るし、
夜は勝手に出て行っちゃうし、冷蔵庫の中のものは勝手に食べちゃうし…。
学校から呼び出されて「このままだと退学してもらいます」と注意を受けたのも指の数では足りません。

でも、彼は「悪い子」だったわけではなく「何が悪いことなのかを教わってこなかった子」だったんです。
ちゃんとルールを説明して、ルールを守れば楽しいことがあるし、破れば楽しみが減る、っていうことを
地道に体感させ続けていくうちに、すっかりHOJになじみ、学校でもみんなと仲良くできるようになりました。

相変わらず荒っぽいですが、弱い者いじめはしないし、嘘をつかない正直者なので、
「コヤシン!ごめん!勝手に自転車使って壊しちゃった!俺謹慎?」とか直球で謝られると
「しょうがねえな、排水溝掃除したら勘弁してやる」みたいに許しちゃうんですよね。
体育会系な世界では案外人間関係もうまくやるのではないかという気がします。

入所した当初、「この子をHOJで育てるのは無理かもしれない」とスタッフの間で何度も会議しましたが、
うちで育てることにして本当によかったと思っています。今やこの頼もしさですよ!

18歳までちゃんと学校に通ったら、HOJの卒業祝いにボートを買ってやる約束をしているので、
あと3年、リッキーBにはぜひともがんばってもらいたいと思います。みなさんも応援してくださいね!
行政のトラックがゴミ収集に来なくなってそろそろ2ヶ月。まだ故障中だとのことです。
文句を言ってもしょうがないので、自分たちでゴミはジープに載せて
町指定のゴミ捨て場までもっていくことにしています。
ジャンジャン、マイケル、ジェレミーが両手をあげて立候補!頼もしいですね。

今回は私もついていくことにしました。初めて見る町指定のゴミ捨て場です。
車で行くこと約10分、さほど遠くないところにそのゴミ捨て場はあって広さはサッカー場くらいあるでしょうか。
右上が「とりあえずゴミを積んでおく場所」左下が「燃えるゴミを焼く場所」、
右下が「資源ゴミを抜き取った後の不要なゴミを埋める穴」です。
右下のエリアには生ゴミも交じっていて、近づくと結構な臭いでした。

私が行った時には3人くらいがここで「資源ごみ回収」いわゆるスカベンジングというのをやっていまして、
この人がそのボス格だったのでいろいろ話を聞かせてもらいました。
缶詰の空き缶が高値で売れるのでねらい目、ペットボトルやビンは売れるやつと売れないやつがあって見分けるのが大変、
このカップヌードルのカップはキロ7ペソで売れる超いいやつ!
月に2000ペソ~3000ペソの収入になる、だいたい毎月ショベルカーがきて
古いゴミを埋めてから別の場所に新しい穴を掘っていくんだけど、
今回はそれが遅れてるのでゴミの量がすごい、などなど…。
ちなみに働いていたのは全員女性で、そのうち1人はどうやら知的に障害がある感じ、
もう一人は身振り手振りでしか会話ができなかったので、耳が聞こえないのかな、という感じでした。

海や山に捨てちゃうより相当マシですし、燃えないゴミを燃やさないのもきっと良いことなのでしょうが、
ただひたすら埋めていく、っていうのは環境負荷的にはどうなんでしょうね?
いろいろと考えさせられました。短めに動画も作ったので興味のある方はご覧ください。
まあ、こどもたちは慣れたもので「よーし!終わった!いい汗かいた!川で洗い流そう!」と元気そのもの。
ゴミ捨てを手伝う動機の8割以上がこの「ついでに川で遊べる」なわけですから、そこははずすわけにはいきません。
一緒に行って分かったのは「全然ゴミ捨て場と川、近くないじゃん!」ってことです。
「近くの川でついでに」って感じじゃ全然ありません。おぬしら、たばかったな。(笑)

人は生きている限りゴミを出すわけですから、ゴミ処理というのは集団生活の生命線のひとつです。
誰かがその仕事をやってくれていることを心に留めながら、何を買うべきで、何は買わないべきなのか、
どうやってものを使い、使い終わったらどうすべきなのかを考えていきたいと思います。