先週、風邪をひいていたジルマー。
週末になって元気を取り戻したので安心していたら、
月曜になってまた発熱し、腹痛もあるということで、病院に連れていきました。
HOJのあるサンイシドロには、保健センターはありますが、
常時医者のいる病院や、入院施設はありません。
こどもが病気になったときには、隣町、ルポンまで車で20分かけて連れていきます。
ルポンにある町立病院。25人しか収容できないこの病院に、
50人以上の入院患者がひしめいています。
その上、1日に30~40人の外来患者が来るそうで、
それに対して、お医者さんは1人だけ…。
部屋の数が足りないので、多くの患者が、こうやって廊下にベッドをおいて、横たわっています。
看護師の数も足りないので、入院するなら親族が夜通し付き添うのが常識です。
HOJの子が入院した場合は、親族の誰かに来てもらうか、
それが無理な場合は、スタッフ、あるいは臨時に誰かに頼んでみてもらうことにしています。
今回は幸いなことに、ジルマーが小さなときから世話をしてくれていた
元スタッフのヴィックビックさんが看病役をかってでてくれました。
気心の知れた人にそばにいてもらう、っていうだけで、心強さが全然違います。
検査の結果は尿路感染症。こちらではUTIと呼ばれている病気です。
日本でも夏場に多いとされている病気で、常夏のフィリピンでは割とよく聞く病名です。
とりあえず、ちゃんと入院して治療を受ければ深刻なことになるような病気ではないので、
早ければ明日にも退院できそうです。本当に良かったです。
それにしても、こどもを連れていくたびに、この病院には現実をつきつけられます。
フィリピンは医者が足りないわけでも、医薬品が足りないわけでもありません。
ただ、自治体に医者を雇うお金がなく、患者に医薬品を買うお金がないんです。
社会保険制度もあることはありますが、その恩恵にあずかれる人は
「正社員」として働いている人達だけで、この村の多くの漁師さん、ドライバー、
売り子さん、お手伝いさんたちは、病気になっても満足な医療が受けられません。
システムを変えていくことは外国人の私にはできませんが、
このシステムから漏れる人達を、どうしたら減らせるのか、HOJなりにできることを考えたいと思います。