2004年に7人兄弟でHOJにやってきたミッチーたち。
最後までHOJに残っていたミッチーとインダイが、ついに旅立ちの日を迎えました。
着の身着のままでやってきたこの子たちが、服やカバンや思い出のおもちゃやぬいぐるみ、
日本語のびっしり書かれたノートなどをたくさん持って、HOJを出ていきます。
きっと心の中にはそれ以上にいっぱいの思い出があることでしょう…。
2人はこれから他の兄弟たちと一緒にダバオで暮らすことになります。
ということで、兄弟を代表して次女のアンギンを呼んで、
ダバオの福祉局で、今後のことについての会合を開きました。
会合の結果、インダイの就学費用は福祉局が出してくれることになりました。
そのかわりインダイは、福祉局が行っている青少年団に参加して、
週末はゴミ拾いや、貧困地域での炊き出しなどの活動に加わることになりました。
いやー、思った以上に最高のかたちになりました。
そしてミッチーですが、Facebook上で進学への支援を呼びかけたところ、
本当にたくさんの方が参加の意を表明してくれたので、本人の希望通り、
ダバオの私立大学でソーシャルワーカーになるための学科に入ることになりました!
学費と寮の家賃を支援し、生活費や学用品の費用は兄弟たちがなんとかすることにしました。
さらに、この夏休み、この福祉事務局で実習生として働かせてもらえることになりました!
もともとは「どこでもいいから働いてお金を稼いで、6月以降の生活費に充てたい」という話だったんですが、
ダバオの町は同じことを考えている学生であふれており、
夏の労働条件はひどい上に、おそろしいほどの低賃金なんだそうです。
そこで、「ソーシャルワーカーになりたいなら、うちの仕事を手伝ってくれれば一番いいんだけどねえ…
うちも人を雇うほどの予算はないのよね…」と福祉局の人が言いました。
そこでふと思いついて、「だったらミッチーはここの仕事を手伝って、
そしてその給料はミッチーのために集まった支援金の中からHOJが払う、というのはどうでしょうかね?」
と提案してみました。
実際、「卒業生の自立支援のためにつかってください」と託されたお金が、
HOJの口座にはある程度貯めてあるのです。まさに、こういう時のためのお金です。
こんなにいい話はない!ということで話は即決。
ミッチーは学校に通う前に実習ができるという、ものすごい特典を得たわけです。しかも給料つきで。
職業体験と、お小遣い稼ぎと、地域との人脈が同時にできる、我ながらなかなかのアイディアです。
このアイディア、「ハウスオブジョイ職業体験プログラム」として、他の卒業生にも同じようなことができないか、
さっそくスタッフと一緒に詳細をつめています。乞うご期待!
さて、福祉局での会議を終えて、ミッチーとインダイをこれから住む家に送っていきました。
その家とは、まさに11年前、ミッチーたちが親に置いてきぼりにされて、兄弟7人で寄り添って暮らしていた場所です。
当時、建物は文字通り傾き、薪代わりに床板をはがして料理をしていたためにひどい状態でした。(写真は11年前)
その家が、一足先にHOJを卒業した長女クリスティーナと長男ウィリアムによって生まれ変わりました!
もちろんまだボロいといえばボロいんですが、雨漏りもしないし、水も電気もきている立派な「家」です!
クリスティーナはヨルダンに出稼ぎに行って兄弟たちに送金を続けています。
そしてウィリアムはダバオの食品加工工場で、施設修理係として毎晩朝まで働いています。
自分のバイクまで買って、すっかり大人の顔になっていました。本当に頼れるお兄さんです!
2人の努力によって、兄弟たちは思い出の場所で、立派に暮らせるようになりました。
貧困の連鎖を断つこと、こどもたちが自立するまで育てることをミッションだと思っているHOJにとって、
これ以上の成功例があるでしょうか。本当にうれしいです。
今後のこの子たちの幸せを、みなさんお祈りください!