今日は早起きして朝の5時に準備を済ませ、レナンとルベンの実家がある町「カティイル」に行きました。
片道4時間以上かかる町への、日帰りというかなりの強行軍です。
2012年12月にダバオオリエンタル東岸部は巨大台風に襲われ、大きな被害が出ました。
支援金を集め、支援物資を届けに行きましたが、橋が流されていて途中までしか行けないほどでした。
まずは前回行った町「カラガ」の復興の様子をご覧ください。
壊れていた学校が修理され、屋根の飛ばされていた家が直され、川には仮設の橋がかかっています。
枝をもがれ、倒れていたヤシの木も、すっかり元通りです!
さて、橋がかかったので満を持してカティイルへ!
まだところどころ壊れたままの場所もありましたが、町の中心地は見事に復興をとげていました!
最初に立ち寄った素敵な公園。ストリートで生活していた頃はよくここで寝ていたそうです。
ある意味ここも「実家」だということで、自慢げに案内してくれました。たくましい子たちです。
それから2人のナビゲーションで本当の実家を目指します。町はずれの田園地帯の、小さな集落にやってきました。
思った以上に立派というか、まるでリゾートのコテージのような家が並んだ、なんとも素敵な集落です。
しかしその風景に何やら2人は落ち着かない様子…。どうやらこの家は最近建ったもののようです。
そんな村の中に、お母さんたちが住んでいるのを発見!約2年ぶりの再会です!
「弟が2人いる」と聞いていたんですが、どうも2人どころではなさそうですね?
話を聞いてみると、お母さんは10代前半で長男のルベンを産み、22歳の現在、8人のこどもがいるそうです。
若過ぎて育てきれなかった上の2人の息子が、自分に会いに来てくれたことが嬉しくて、大泣きしていました。
このコテージ風の家は、カトリック系の国際NGO「カリタス」からの支援で建ててもらったそうです。
こうやって本当に貧しい人たちに支援が届いているのを見ると、とても嬉しいですね。
復興が進んでいるとはいえ、6人のこどもを育てるだけでも手いっぱい、ということで、
ルベンとレナンはこれからもHOJで暮らすことを選びました。
それでも「自分にはちゃんと故郷がある」「自分には小さな弟妹がたくさんいる」
「自分に会って喜んでくれるお母さんがいる」ということは、彼らにとって大きな心の支えになるはずです。
これからの2人の成長にご期待ください!!
ちなみに、一緒にHOJに入ってきて、すぐに実家に戻れることになった仲間のノノイにも会ってきました。
相変わらずやんちゃそうでしたが、ちゃんと家族で暮らしていて、幸せそうでしたよ。ご安心ください!
今日の旅を動画にもまとめたのでぜひご覧ください。
「育てられなかった自分が恥ずかしくて目を合わせられなかった」と言った
お母さんとレナンの再会シーンは何度見てもグッときます。必見です!
今日は隣町まで、先週調査に行った村の6人兄弟を引きとりに行きました。
両親と一緒に住めなくなったこの子たちは、一番上のお姉さんの家に引き取られたんですが、
その家は、4m四方もないような小さな家で、お姉さんは2人のこどもがいる上に現在妊娠中。
とても6人の弟と妹を育てていくことはできません…。
ということで、まずは下の子5人がHOJに来ることになりました。
(二番目のお姉ちゃんは一番上のお姉さんの出産の手伝いをしてからHOJに来る予定です。)
HOJに到着して、不安そうな顔のこどもたち。そう、笑顔でHOJに来る子はいないんです。
オフィスに連れて行って簡単にインタビューと生活のルールを教えますが、
やはりこどもたちの表情は硬いままです。それはそうですよね…。
でも、インタビューをドアからのぞきこんで聞いていたレナンが部屋に飛び込んできて雰囲気が一転します。
「え?きみマンダヤ語話せるの!ボクもだよ!!」
こういうときに、変に遠慮したり空気を読んだりしないレナンは、ムードメーカーに最高ですね!
ロジャーとジョリーナも負けてはいません。
「え?お姉ちゃんの名前、ジョリーナって言うの?じゃあその子が入ってきたら私はジョリーナガマイになるの?」
「ははは、ピッタリじゃんよ、ジョリーナガマイ!」
「私は小さいんじゃないくて、『カワイイ』のよ。ジョリーナキュートって呼んでよね!」
こんなふうに周りの子たちがちょっと自分たちをネタにしながら、新入りの子たちの緊張をほぐしていきます。
晩御飯を食べる頃にはこどもたちもすっかりリラックスして、笑顔を見せてくれるようになりました。
大きい方から順番に、長男のロウィー、次男のアイアン、三女のシエラ、三男のアンジェロ、そして末っ子のアビゲル。
久々にちびっ子がHOJに入ってみんな大喜びです!
みんなで歓迎会で「Welcome to the Family」と歌を歌いました。
いつもビジターの歓迎会で歌っている歌ですが、今日はその響きが格別でした。「ようこそ、家族へ!」
今、こどもたちは一緒にジャッキー・チェンの古ーい映画を見て大爆笑しています。(「五福星」って知ってますか?)
先週見たばかりの映画なんですが、「これ面白いから一緒に見ようね!」と言って、満場一致でその映画を選びました。
いつもだと「その映画、前にも見たから別のがいい!」と不平を言う子がいて、なかなかまとまらないんですけどね。
私はHOJのこどもたちが、こんなふうに育っていることを誇りに思います。
新しく仲間になったこどもたちの成長も楽しみです。みなさんもぜひ一緒に見守ってくださいね。よろしくお願いします!
静かに過ごすのも約27時間、土曜の夕暮れから「復活祭」は始まります。
真っ暗な教会の中で、1000人以上の村人がロウソクに手を持ち、その「復活」の瞬間まで静かに祈ります。
聖書が読まれ、詩編が歌われ…というのを何度か繰り返し、レナンあたりが眠くなってきた頃…
鐘が鳴り響き、灯りが点され、歌が明るいものに変わります!
この瞬間の雰囲気は、なんともいえません。信仰とかと関係なく、何か復活したかも!って気分になります。
そこからは神父さんもノリノリで、長ーいお話が始まります。こどもたち、よく暴れずに座っていられるものです。
学校では座ってられない子も、教会では座ってられるんですよね。いったい何故なんでしょう…?
ミサが終わると、もう21:30くらいです。いつもならとっくに寝ている時間ですが、なにしろ「復活祭」ですからね!
こどもたちは次の日の朝の「卵探し」のために、卵に絵を描く作業に没頭です。
本当は早く寝た方がいいんですけどね…。
というのも、次の日は早朝4時から教会でまたミサなんです。
「イエスが復活したよ!」と民衆に告げる天使に扮したこどもたちが櫓の上で歌い、花びらをまきます。
この花びらをゲットすると、1年間家内安全のお守りになる、と信じられていて、
やぐらの下はバスケのゴール下さながらのポジショニングですごいことになっています。
今年はなんと、このために傘を持ちこんで、逆向きに持って花びらを手に入れる、という
「それはさすがに反則だろう!」という人もいました。幸せは分かち合いましょうっての。(笑)
そして朝のまた長ーいミサが終わると、いよいよこどもたちのお待ちかね、「卵さがし」です!
賞金つきの卵をさがして、こどもたちが敷地内を大はしゃぎで探しまわります。
一昨年の「100ペソ卵」が車に隠されていたという印象がとても強いようで、みんな車に執着してます。
ジョリーナは小さい体を生かして、下まで潜りこんで探してました。(笑)
結局100ペソ卵はリッキーが、50ペソ卵はロジャーがゲットしました!
夏休みのおこづかいとしてはかなりの額です。ふたりとも、計画的に使うんだよ、まだ夏休みは長いぞ!