隣の、ルポンの町にHOJに入りたいというこどもたちがいるとの連絡を受け、調査に行ってきました。
事情があって両親と一緒に暮らせなくなった6人兄弟が、
決して生活に余裕があるとは言えないおじさんの家に居候している状態でした。
おばさんが妊娠中ということもあり、なるべく早くHOJで暮らし始めたい、とのことです。
大急ぎで手続きを進め、なんとか来週から一緒に過ごせるようにしたいと思います!
せっかく隣町まで来たので、ロサガマイに会いに行きました。
しっかり学校に通っていて、6月からは6年生になれるとのこと。実家にうまく適応できてよかったです。
一緒に写っているのは、最近、5年ぶりに再会したという実のお姉さん。
ダバオに出稼ぎにいっていたんですが、妊娠をきっかけに地元に戻ってきて再会したそうです。
ロサガマイ、良かったね!
運転手のドドンさんが「ここまで来ればジュンジュンの家も近くだよ」と言うので、
え?全然近くないよ?2週間前に実家に連れて行ったときと方向が違うじゃん?…と思ったら、
なにやら不思議な森の抜け道があるとのこと。いやー、なんとも素敵な道ですね。
森と田園風景を抜けると、確かにジュンジュンの家に着きました。
親にとっても子にとっても、まともに一緒に暮らすのは今回がはじめてということで、
ちょっと心配していたんですが、さすがは実の親子。結構うまくやっているようで一安心です。
ジュンジュンの家の周りは水田が広がる穀倉地帯です。
常夏のミンダナオでは、田植えの時期をずらせば、一年中収穫が可能です。
田んぼは大金持ちが所有していてそこで暮らし、働いているのはほとんどが小作農ですが、
収穫後の「獲り残し」の稲穂は、住んでいる人たちが獲っていいことになっているそうで。
ジュンジュンは毎日のようにこの「落ち穂拾い」に行って、
多い日には2キロぶんくらいの米をゲットしてくるそうで、
幼いこどもを抱えたお母さんとしては、なんともたくましい「お兄ちゃん」の登場なわけです。
親子の絆が育ちことに期待しましょう!
満月の時期が近づいてきたので、今日はみんなでシャロームに潮干狩りに行きました。
満月と新月の時期には、干潮時には海岸線が500m以上も引くんです。
お目当ては基本的には貝ですが、探せば食べれるカニや、アメフラシの卵、そしてナマコなども獲れます。
ルベンは早々にターゲットをナマコに絞り、貝には目もくれません。大物狙いの性格が出ますね。
レナンは何枚か貝を獲って十分満足したのか、獲った貝を顔に張りつけて遊んでました。(笑)
カタツムリやタニシみたいにくっついて、移動するので「くすぐったい!」と言って大笑いでした。
そんなレナンを尻目に、ルベンは結構大きなナマコを次々とゲット!
大喜びで漁師さんに見せたら、「あー、そのナマコは、食べれると言えば食べれるけど…マズイぞ」
と言われ、残念そうに海に戻していました。なにごとも経験です!
コツコツと貝を獲っていたジェリカやジョリーナのおかげで、かなり貝はたくさん集まりました。
現地の人はこれを生のまま、酢をつけて食べちゃいますが、私は怖くてできません。
ビジターの方も、貝を勧められた時は自己責任でどうぞ。
おいしい種類のナマコも少し獲れたので、カテリンが料理に挑戦です。
包丁を入れようとした途端に、オシッコのように水がピューっと飛び出して、びっくりして飛び上がってました。(笑)
それにしても、ナマコを最初に食べた人は、本当にすごいですね。よほどお腹がすいていたのでしょう。
そう言えば、さっきの漁師さんも「マズイ」と知っていたということは、食べてみたってことなんでしょうね。
私たちの食生活や食文化は、そういう先人たちの試行錯誤の上に成り立っているわけです。感謝ですね!
ダバオに行って、DVDの発送作業を済ませました!
緩衝材つきのパッケージの中には、DVDと、こどもたち手書きのサンキューレターが入っています。
10日~14日で着くそうです。クラウドファンディングで支援してくれたみなさん、お楽しみに!
さて、最後の作業も終わったので、HOJに戻ったんですが、
日曜日だというのに街にも道にも誰もいない、不思議な気配。
いったい何が起きたのか?と思いきや…今日はマニー・パッキャオの世界タイトルマッチでした!
フィリピンの英雄的ボクサー、マニー・パッキャオは、実質10階級を制覇していると言われている、
ボクシング史上に残る選手です。貧しい出身ながら、自らの才能と努力でスターダムに上り詰め、
いまでは国会議員も務めるほどです。(写真はフィリピンのニュースサイトからの転載です)
彼の試合の日は、老若男女、貧富の差も宗教の壁も超えて、すべてのフィリピン人がテレビにかじりつきます。
普段は渋滞している道にも、車は一台もありません。軍や警察による検問もありません。
これじゃあ反政府組織は移動し放題じゃないか、とも思いますが、ご心配には及びません。
彼らもテレビにかじりついているからです。
数年前、人質をとって山にたてこもっていた反政府組織の末端構成員たちが、
「このままではパッキャオの試合が見れない」と言って人質を解放して投降したのは有名な逸話です。
HOJに到着したとき、全部で12ラウンドの試合はすでに半分が終わっていましたが、なんとか間に合いました!
スタッフたちもこどもたちもテレビにかじりついて応援しています。
言い方は悪いですが、貧しい出身のフィリピン人が、アメリカ人をボコボコに殴っているわけですから、
ずっといろいろな国に搾取されてきたこの国の人たちにとっては、留飲の下がる思いでしょう。
KOこそとれませんでしたが、判定結果は3-0でパッキャオの圧勝!
スタッフたちは「KOすると番組が短くなって広告収入が減るから、わざとKOしないんだ」と言っています。
そのくらい、パッキャオの強さを信じているのでしょう。
ちなみに男の子たちはさっそく「ぼくもボクサーになる!」とボクシングごっこに余念がありません。
台風の被災地などへの支援活動でも有名なパッキャオ氏。
そろそろ年齢的には現役はつらいでしょうが、第二、第三のパッキャオが育つまでは、
フィリピン人の希望として、もう少しがんばってほしいところですね!