去年の年末にドゥテルテ政権が発表した公立大学を2017年度からすべて無料にするという方針。
このブログでも記事にしましたね。http://jj.hoj.jp/hoj/2016/9683
そして、来月からいよいよその新年度が始まるわけで、テレビのニュースなどでは
「国会でこの法案が通ったので今年度から大学は無料です!さあみんな大学に行こう!」
みたいな報道がしきりに行われているようです。

さて、実際のところはどうなのか?
10人の大学生たちを奨学生として通わせている私たちにとっても他人事ではないので、
今日は大学の事務局まで行って、確かめてきました。

結論から言うと、全然無料にはなりません…。
まず、各大学に授業料無償化のために配られている予算が、ぜんぜん足りてないんだそうです。
ダバオオリエンタル州立大学には2100万円が割り当てられているんですが、
この金額では完全に無償化できるのは1000人程度、とのこと。ちなみに全校生徒は1万人です。
そこで大学は、「授業料」は無料だけど「施設費」は有料ということにして、
およそ2000人の学生に対して、実質的に授業料を半額にする、という措置を取ることにしたそうです。
これでも全学生の2割です。ちなみにこの2割は、親の収入の少ない順に選考するそうです。

まあ、もともとこんなにすぐに全員無料になるとは思っていませんでしたが、ちょっと期待外れですね。
もちろん、治安の維持が優先事項で、高等教育に国家予算を割く余裕がない事情は分かりますが。
でもまあ、政府や行政の手が届かないところこそ、うちのようなNGOの出番です。
今後ともNOIZ奨学金制度で、学生たちを支援していきたいと思います!