2003年に1歳でHOJにやってきたジョアンも、ついにHOJを卒業することになりました!
HOJで暮らすこと12年。その成長こそが、HOJそのものの価値と言っても過言ではありません。

まったく笑わない子だったジョアンは、HOJに来てから半年以上かかってようやく笑うようになりました。
普通なら親に微笑みかけられることで覚える「笑顔」を、ジョアンはHOJでこどもたちから学んだんです。

HOJで物心がついているので、幼いころは実家に全く親近感を覚えることができず、
夏休みなどに短期間だけ実家に連れていくだけでも泣き叫んで大変でした。

でも、実家との交流を12年間根気よく続けてきた結果、ついにジョアンは笑顔で実家に帰れるようになりました。
本当に長い期間を必要としましたが、「もうこの子は笑わないかもしれない」と言われた子が、
ここまでこれたということを、HOJは誇りにしたいと思います。

そう遠くない場所で暮らしているので、今後もHOJの奨学生としてハイスクールに通い続ける予定です。
今後の成長にもご期待ください!
そしてジョイジョイ。2013年に、一足先にHOJに入っていた姉のクリスティンが、
学校まで山を歩いて2時間近くかけて通っている妹を、HOJに入れてほしいと頼んできたことから、
ジョイジョイはHOJにやってきました。全財産はサンダルとビニール袋ひとつの着替えだけ…。
電気もない山の上で大きく歳の離れたお姉さんと住んでいたジョイジョイは、
はじめは同年代の子たちとの遊び方も分からないほどでした。

それが、HOJで2年間暮らすうちにどんどん元気になり、周りの子とも仲良くなりました。
特に歳の近いジェリカ、シエラとは親友以上の絆で結ばれていて、
遊ぶのも、眠るのも、学校をさぼって叱られるのも、家出するのも(笑)一緒でした。

マニラに出稼ぎに行ったきり戻ってこなかったお母さんが去年見つかり、
ようやくジョイジョイを引き取る準備ができたということで、実家に戻ることになりました。
アナマリスたちとは従妹同士で、すぐそばに住んでいるので、
これからも多くの兄弟、従姉妹たちに囲まれて、楽しく暮らしていけることでしょう。

毎日少しずつ寂しくなっていくHOJですが、いつか「孤児院からこどもが1人もいなくなる日」が来ることが、
一番いいことであるのは言うまでもありません。
そうなったら私も晴れて無職です。(笑)
いつかその日が来ることを祈りつつ、食べていける技能を磨くことを怠らずにいようと思います。
2008年5月に3姉妹で入ってきたジュヴィー、ジョリーナ、ジェリカの3人が、
7年のHOJ生活から、ついに旅立ちの日を迎えることになりました。
こんな表情で入ってきたころが信じられないくらい、明るく、にぎやかで、かわいい3人でした。

ジョリーナはHOJから車で約30分ほどダバオ方面に行ったところにある
米どころの町、バナイバナイに住んでいる叔母さんの家に引き取られることになりました。
目の前が見渡す限りの田んぼで、平和そのものの場所です!

HOJ滞在中に描いた絵や、ダバオに行ったときに自分で選んで買ったDVD、
そしてビジターにもらったおもちゃやアクセサリーなどを、本当に大事そうに持ってきていました。
ジョリーナにとっては、いつまでも大事な宝物なんですね。

親戚のおばさんやいとこのお姉さんも、ジョリーナを大歓迎してくれました。
明るい雰囲気の家で、これならきっとうまくやっていけると確信が持てました。ジョリーナ、幸せにね!

さすがに別れの瞬間には思い出がこみ上げて泣き出したジョリーナですが、
夜には「そっちはみんな元気?私は新しい家で元気にしてるよ!」と、叔母さんの携帯電話から
HOJのスタッフ宛にメッセージが届きました。返事を送ったら立て続けにメッセージが戻ってきて、
ジョリーナはいなくなってもおしゃべりなのね、とスタッフと大笑いしました。
ジェリカは同じくバナイバナイの、ちょっとはずれの海のそばで
小さなお店をやっている親戚の家で暮らすことになりました。
引き取ってくれたのは、ジェリカのお婆さんの弟にあたるおじさん夫婦です。
以前から夏休みはこの家で過ごすことが多かったので、ジェリカとおじさんは大の仲良しです。

というか、このおじさんとジェリカ、立ち姿や歩き方やリアクションが、なんだか妙に似ているんですよ。
超かわいいジェリカと、このオッサンのどこが?と思うかもしれませんが、分かる人には分かるはず。(笑)

長年HOJで末っ子のポジションで可愛がられて育ったジェリカも、気づいてみればもう10歳。
6月からはなんと、5年生です。今後もときどき様子を見に行って、成長を見守りたいと思います!
そしてジュヴィーですが、なんとHOJから歩いて5分ほどのところに住んでいる叔母さんの家に行くことになりました!
近すぎてHOJを卒業する実感がわかないレベルです。(笑)
そんなにすぐ近くなら、引っ越しは歩きでいいよね、と思ったら、「荷物が多いから車で行きたい」とのこと。
なーにを大げさな、と思ったら、本当にものすごい量でした。(笑)

ジュヴィーはものすごく物持ちがいい上に、人気者で他の子たちから餞別に大量の服や靴をもらったものだから、
こんな量の荷物になったんですね。
ビジターにもらったアクセサリーやぬいぐるみ、一緒に作った折り紙、自分で描いた絵に加え、
ずっと使っていたゴザなんかも持っていこうとして、スタッフから「それは置いていきなさい」と笑われてました。
前に会ったときはあまりいい表情を見せてくれなかったので、この親戚のおばさん夫婦の家に
この子を預けることに、私は少し不安があったんですが、そこはさすが、ジュヴィーです!
引き取られることが決まってから、何度もこの家との行き来を繰り返し、すっかりいい関係を築き上げていました。
おばさん夫婦も笑顔で大歓迎してくれました!

本当に近所なので、いつでも会えます。土曜に海に行くときなんかは一緒に行く気満々です。
一番面白かったのが「豚の叫び声が聞こえたら、丸焼きを食べに来るね!」との一言。
ジュヴィー、最後まで笑わせてくれてありがとう!ってか、最後じゃないんだけどね。(笑)
笑顔をなくしたこどもたちがHOJで笑顔を取り戻し、そして涙のお別れをして、笑顔で親戚の元に帰っていく…。
これこそが、HOJのあるべき姿です。大成功といっていいでしょう。
正直、この3人がHOJからいなくなることは、私には耐えがたいほど寂しいことですが、
こうやって一緒に育った仲間たちが巣立っていくのをHOJに残って送り出している子たちの寂しさは、
私なんかの比じゃないはずです。
そんな子たちに寄り添って、お互いに一緒にいる時間を大事にしたいと思います。
2004年に7人兄弟でHOJにやってきたミッチーたち。
最後までHOJに残っていたミッチーとインダイが、ついに旅立ちの日を迎えました。
着の身着のままでやってきたこの子たちが、服やカバンや思い出のおもちゃやぬいぐるみ、
日本語のびっしり書かれたノートなどをたくさん持って、HOJを出ていきます。
きっと心の中にはそれ以上にいっぱいの思い出があることでしょう…。

2人はこれから他の兄弟たちと一緒にダバオで暮らすことになります。
ということで、兄弟を代表して次女のアンギンを呼んで、
ダバオの福祉局で、今後のことについての会合を開きました。
会合の結果、インダイの就学費用は福祉局が出してくれることになりました。
そのかわりインダイは、福祉局が行っている青少年団に参加して、
週末はゴミ拾いや、貧困地域での炊き出しなどの活動に加わることになりました。
いやー、思った以上に最高のかたちになりました。

そしてミッチーですが、Facebook上で進学への支援を呼びかけたところ、
本当にたくさんの方が参加の意を表明してくれたので、本人の希望通り、
ダバオの私立大学でソーシャルワーカーになるための学科に入ることになりました!
学費と寮の家賃を支援し、生活費や学用品の費用は兄弟たちがなんとかすることにしました。
さらに、この夏休み、この福祉事務局で実習生として働かせてもらえることになりました!
もともとは「どこでもいいから働いてお金を稼いで、6月以降の生活費に充てたい」という話だったんですが、
ダバオの町は同じことを考えている学生であふれており、
夏の労働条件はひどい上に、おそろしいほどの低賃金なんだそうです。
そこで、「ソーシャルワーカーになりたいなら、うちの仕事を手伝ってくれれば一番いいんだけどねえ…
うちも人を雇うほどの予算はないのよね…」と福祉局の人が言いました。
そこでふと思いついて、「だったらミッチーはここの仕事を手伝って、
そしてその給料はミッチーのために集まった支援金の中からHOJが払う、というのはどうでしょうかね?」
と提案してみました。
実際、「卒業生の自立支援のためにつかってください」と託されたお金が、
HOJの口座にはある程度貯めてあるのです。まさに、こういう時のためのお金です。
こんなにいい話はない!ということで話は即決。
ミッチーは学校に通う前に実習ができるという、ものすごい特典を得たわけです。しかも給料つきで。
職業体験と、お小遣い稼ぎと、地域との人脈が同時にできる、我ながらなかなかのアイディアです。

このアイディア、「ハウスオブジョイ職業体験プログラム」として、他の卒業生にも同じようなことができないか、
さっそくスタッフと一緒に詳細をつめています。乞うご期待!
さて、福祉局での会議を終えて、ミッチーとインダイをこれから住む家に送っていきました。
その家とは、まさに11年前、ミッチーたちが親に置いてきぼりにされて、兄弟7人で寄り添って暮らしていた場所です。
当時、建物は文字通り傾き、薪代わりに床板をはがして料理をしていたためにひどい状態でした。(写真は11年前)

その家が、一足先にHOJを卒業した長女クリスティーナと長男ウィリアムによって生まれ変わりました!
もちろんまだボロいといえばボロいんですが、雨漏りもしないし、水も電気もきている立派な「家」です!

クリスティーナはヨルダンに出稼ぎに行って兄弟たちに送金を続けています。
そしてウィリアムはダバオの食品加工工場で、施設修理係として毎晩朝まで働いています。
自分のバイクまで買って、すっかり大人の顔になっていました。本当に頼れるお兄さんです!

2人の努力によって、兄弟たちは思い出の場所で、立派に暮らせるようになりました。
貧困の連鎖を断つこと、こどもたちが自立するまで育てることをミッションだと思っているHOJにとって、
これ以上の成功例があるでしょうか。本当にうれしいです。
今後のこの子たちの幸せを、みなさんお祈りください!