フィデルさんが木枠に等間隔に釘を打っています。一体何を作ってるんでしょうか?
実はこれで、いらなくなった古着を編んで鍋敷きを作るんです。
作り方を知っているエレンジョイが、こどもたちに「将来も役立つ技術」として教えることになりました。
まずはいらなくなった古着を5センチ~7センチくらいの幅で切り裂きます。
なるべく長くなるように切れ目なくリンゴの皮を剥くように切っていくのがコツです。
素材が切れたら、それを木枠の釘にひっかけるようにして張っていきます。
まずはタテに張ってから、次に色を変えてヨコにも張り、それからタテヨコを交互に上下に編んでいきます。
なるほど、これはシンプルですが面白い!よくできたシステムです。
完成品はこんな感じ!確かにフィリピンで一般的に売ってる鍋敷き、まさにコレですよ。
ちなみに市場で3つで50ペソで売れるということで、こどもたちが「じゃあいっぱい作ろう!」と
昼食の時間も忘れて作業に没頭してましたよ。そうだ、鶏肉代は自分たちで稼ぐんだ!(笑)
木枠からはずすときにほどけないの?と思ったんですが、そこもよくできてました。
動画で見れば勘のいい人は分かるかと思いますのでぜひご覧ください!
エレンジョイいわく、慣れればおしゃべりしながらでも、テレビ見ながらでもできるので、
家庭での内職にはピッタリとのこと。これは本当に役立つ技術ですね。
こういうスタッフたちのノウハウ、どんどんこどもたちに伝授していきたいと思います!
コロナと関係あるのかは分かりませんが、最近になって物価上昇が著しいです。
1年前に1キロ450円程度だった豚肉が、今日は1キロ700円くらいになってました。
肉、魚の上昇率が高く、穀類がそれに次ぎ、野菜も少し値上げ、インスタントラーメンなどの
ジャンクフード系が値段が変わってないので、これが続くと人々の健康が心配です。
HOJでも「米を一粒残さず食べよう!」キャンペーンを実施中。
鍋に残った米もジャンジャンが残さずさらってます!(笑)
節約の重要なポイントになるのが油です。フィリピン料理はとにかく油を大量に使うんですが、
脂の値段は肉の値段並みに上がっているので、ここはぜひとも節約したいところです。
焼き魚とか、スープ系を増やし、揚げ物は週2回くらいに抑える、みたいに指導してます。
そのほうが誕生日のフライドチキンの喜びも増しますしね!
前に買った古着に着替えたおかげで、もともとこどもたちが着古していた服がいっぱい出ました。
これも有効利用しよう、ということで、フロアマットを作ることにしました。
いっぱい作って、出来が良ければこれも販売する予定です。職業訓練ってほどではないですが、
こういう内職的な技はいっぱい伝授しておきたいですよね。
とはいえ、節約にはやはり限度があるので、私もがんばって稼いでます!
オンライン講演をしたり、フィリピン文化紹介のコラムを書いたり、イラストの仕事を引き受けたり、
翻訳の仕事を手伝ったりしてます。ちなみに襟のついた服を着ている時はオンライン仕事中なので
こどもたちは急用以外は私に話しかけちゃいけないことになってます。(笑)
そんなわけで、上記のような仕事のご依頼がありましたら、ぜひご連絡ください。sawamura@hoj.jp
上記以外でも、いつお渡しできるか分かりませんが「竹で〇〇を作れますか?」みたいな相談、大歓迎です。(笑)
こどもたちの食卓に肉をいっぱい並べられるようにがんばります!
2017年からHOJで暮らしていたリッキーBが、実家に戻ることになりました。
元々悪かったおばあちゃんの膝の具合がさらに悪化し、山や畑の仕事が難しくなり、
移動制限で買い物や行商も厳しいので、リッキーBに戻ってきてほしい、と言われまして。
将来のことを考えればHOJに残って就学を続けたほうが有利、というのは承知の上で、
本人の意思を尊重し、協議の結果、いったん実家に戻ることに決まりました。
入ってきた当初は乱暴で何一つルールを守らず、30分ごとに他の子とケンカはするし、夜中に勝手に出ていくし、
花壇に立小便はするしで、「この子はウチで育てるのは無理かも」と思ったものです。
でも本人の言い分を聞いてみれば「相手が先に手を出したんだ」「ちゃんと朝の食事までに帰ってきたじゃん」
「え?ちゃんと建物や車ではなく植え込みに向かってやったよ?」と、本人なりの一線は守っていることが分かり、
なるほど、これは単にやっていいこととダメなことの境界線がズレてるだけなんだ、ということで、
「HOJのルールを守れば得をして、破ると損をする」というのを繰り返し繰り返し体感させ、
今ではすっかり頼れる兄貴分、になってました。
そしてリッキーBといえば何といっても海です。魚を獲るのが本当に大好きで、他の遊びには目もくれず、
延々と魚を獲り続ける姿が印象的でした。「幸せ」の絵を描いた時に、
緑色の水中で魚を獲っている絵を描いたこともありましたっけね。
もちろん18歳まで学校に通う方がいい、というのは正論ですが、15歳くらいで家族のために働くのは
フィリピンの田舎では全然珍しいことではないですし、実際、リッキーBは学校の教室より、
山や農場や海にいたほうが、断然活躍できるし、本人も楽しいでしょう。
「学校に通いたくなったらいつでも戻って来いよ」「野菜や魚はウチに持って来れば高めに買うぞ」
「18歳まで犯罪とかしないでまっとうに生きてたらボートかバイクの免許かどっちかプレゼントしてやる(笑)」
と約束して、戻って来やすいように、お別れ会などせず、サラっと巣立っていくリッキーBを見送りました。
今後もどんな人生を送るのか、ずっと見守りたいと思います。
みなさんもヤツのことを覚えておいてくれれば幸いです!