授業の始まった隣町の専門学校に、アナマリスとジョイジョイの様子を見に行きました。
キャンパスは広く、緑がいっぱいで、若者たちがそこかしこの木陰に集まって活動をしていて、
なんだかとても素敵なところです。
アナマリスたちがとっているのはHRSと呼ばれているコースで、
ホテル&レストラン・スキルコースの略ですね。1年で国内で、2年で国際的に働ける資格が得られるカリキュラムです。
今日はまだ始まったばかりなので座学でしたが、後期あたりからは実践的な授業がどんどん入ってくるそうです。
しかし何気なく立ち寄った事務局で、とんでもない事実を聞かされました。
「先週、行政からの通達があって、このコースは3年コースに変わりました。
名前もHRT(ホテル&レストラン・テクノロジー)に変わったのでよろしく」
は?1年で国内の、2年で国際的に働ける資格が取れるんですよね?
「だから、先週変わったんですよ。3年勉強しないと、資格はとれません」
なんですかそれ。ふざけてませんか?授業料払って入学してからカリキュラム変えるってあり得ますか?
でも、あちこちに電話をかけて調べてみたら本当でした。この学校だけでなく、すべての専門学校で、
今年度から急に施行されたシステムのようです。
ジョイジョイたちによれば、クラスメイトたちはみんな1年か2年のつもりで入ったので、
3年も勉強できない!どうしよう?と困っているそうです。もちろん彼女たち自身も困っています。
アキノ大統領が推し進めている教育改革の一環だそうで、
彼は教育に力を入れるといって、ハイスクールを4年制から6年制にしたり、
専門学校を2年制から3年制にしたりしているわけですが、こういう現状を見ると、
「学生」の時期を延ばすことによって自分の任期中の「若者の失業率」を見かけ上減らしたいだけのように思えてなりません。
有数の財閥で育ったお坊ちゃんには、こどもたちを学校に1年通わせるために、親兄弟がどれだけ支え合い、
努力しているかは分からないのでしょう。まあ、彼を選んだのがフィリピンの「民主主義」なのだからしょうがないですけど。
ちなみに、6月から溶接の職業訓練コースに入るはずだったロジャーも、
「来週始まるから、来週はじまるから」といつまで経っても始まらない学校に直談判しに行ったら、
「生徒が集まらないので今季は開講しない。次のコースは9月から」と言われました。
ああ、マジでふざけてます。フィリピンの若者たちが「働かない」ことが問題になってますが、
それは彼らのせいではなく、こうやって少しずつ、やる気を削がれているからです。
この境遇の中で、私にできることは何なのか?あきらめずによく考えたいと思います。
あまりに嫌な話ばかりなので、学校関係でいいニュースも。
マリアフェの娘(ロジャーの姪にあたりますね)のカカイが、ウラワビーチから近所の幼稚園に通い始めました!
これは、幼稚園で飲み切れなかったジュースを、戻ってきてからもったいないと言って飲んでいるところです。
昔、ジェリカが幼稚園に初めて行った日に、同じことがあったような…。
HOJの卒業生が、ちゃんと子育てしているのを見るのはとても嬉しいですね。よし、めげずにがんばります!!