HOJのある町、サンイシドロには、ユネスコの世界自然遺産に登録された山があります。
「ハミギタン」という山で、植生がかなり独特らしく、ヨーロッパの学者たちの研究と、
市長さん(アイダさんのお姉さんです)の尽力で、フィリピンで6つめの世界遺産に登録されたんです。
「植生が変わっている」「盆栽みたいな木が並んでいる」「固有種の食虫植物がある」
などが売りらしいんですが、いまいちパッとしないというか、正直私はあんまり興味をひかれていませんでした。
さらに、世界自然遺産に登録されて観光地化するために「山を切り開いて道を作ってミュージアムを建てた」
なんて話を聞くと、本末転倒というか、それじゃむしろ自然破壊だろう、とか思ってました。
ですが、今回の摂南の学生たちを連れて市長さんを表敬訪問した際に、
「せっかく来たんだから絶対に見て行きなさい」と強く勧められ、一度くらいは行っておくか、という気持ちで行ってきました。
こちらが件のミュージアムへ向かう道。HOJから車で約30分なんですが、
見事に山を切り開いたセメントの道ができています。うーん。
そして山の中には立派なミュージアム。森の緑の中に、白いセメント作りの、現代建築風の建物です。うーん…。
ですが、入ってみると中の雰囲気はなかなか。
森の中を疑似体験できるような趣向があちこちに施されており、展示のセンスもいい感じです。
一緒に連れて行ったバドン、エミリー、アルジェも興味津々!
社会科見学の場所としては悪くないですね。
そして、大きく私の考えを変えたのが、ガイドさんのこの説明でした。
「この山では、鉄鉱石、銅、そして金が発掘されることが分かりました。
それを知った海外のたくさんの商社が、この町に採掘権を買いにやってきました。
これを産業にすればこの町は大金持ちになれますよ、と。
しかし、市長はその申し出をすべて断りました。
鉱山が取り返しのつかない自然破壊をしてしまうと知っていたからです。
そして、今後、誰が市長になってもここが鉱山にされてしまわないように、
ユネスコに連絡を取って、ここを自然保護区、世界遺産に登録することにしたのです。」
道を作り、ミュージアムを作ることは、世界遺産に登録するための条件でした。
つまりこれは、結構真剣な「ダメージコントロール」だったわけです。すばらしい!
10分くらいのお散歩コースから、7時間かけて頂上まで行くルートまで、
時間とやる気と体力に合わせて、実際の自然にも入ることができるそうです。
いままであまり興味ありませんでしたが、俄然興味が湧いてきました。
4月あたりに一度登ってみようかと思います。一緒に登りたい方、ぜひご連絡ください!