2年ほど前から、フィリピンの教育制度が大きく変わってきています。
大きな変化は以下の点です。
1.小学校6年、ハイスクール4年の計10年の公教育を、小学校6年、ハイスクール6年の計12年にする
2.母語(現地語)の授業を取り入れる。授業も母語で行う。
3.成績による落第を徐々になくしていく。(出席日数の落第は継続)
フィリピンの教育がついに母語を大事にしてくれるようになったのは、本当に嬉しいことです。
フィリピンはこれまで「英語教育でグローバルな人材を育てる!」みたいな方向に力を入れており、
それによって確かに「英語のできる人材」はそれなりに育ちましたが、
「自分の言葉でものを深く考えられる人材」が育ちませんでした。
フィリピンの経済が伸び悩み、結局出稼ぎ労働者に頼る国になってしまった原因のひとつは、これだと思います。
今現在、学校の先生になっているような人はみんな「英語が何より大事!」という教育制度の中で育った人ですから、
「母語を大事にする」という教育制度には、抵抗のある人も多いはずです。
実際、この教育制度が施行されてから、最初の1年くらいは、誰も母語のことなんか気にしていませんでした。
それが、3年目になった今年、はっきりと母語を大事にする授業が行われるようになってきています。
そして、それによって、「なんでも知っている先生がなんにも知らないこどもたちに教える」という昔ながらの教育スタイルが、
「先生が導き手となって、こどもたちの知っていることを膨らませていく」という教育スタイルへと変化してきています。
そのことは先生とこどもの関係性も、いい方向に変えてきていると思います。
この教育の成果が出るのは10年、いや、20年後かもしれませんが、
その時こそフィリピンという国が大きく変わるときだと思います。それをここで見届けられたら、本当に嬉しいです。
さて、この学校、アイダさんの義理の妹さんが校長先生をしているんですが、本当にいい学校です。
授業の雰囲気、学校全体の雰囲気がすごくいいんです。どういいかは動画をご覧ください!
自分たちで栄養失調気味の子たちのための給食制度を始めたりもしています。
342人の児童のうち、48人が毎日ここで昼ご飯を食べているそうです。
保護者有志たちが持ち回りで料理をし、2年前から始めたこの給食制度、これまで無事に続けているそうです。
次に力を入れようと思っているのが「ICT教育」だそうです。
何らかの形で協力できたらな、と思います!