5月は祭りの季節です。あちこちの村が祭りを催すので、それに合わせてサーカスや移動遊園地、
芸を披露してチップを稼ぐ芸人たちが村にやってきます。
HOJにも自作の太鼓を叩きながらダンスを披露するこどもたちのパフォーマー集団がやってきました。
この子たちは「バジャウ」と呼ばれている海を住処とする民族の末裔で、
素潜りをする私にとっては尊敬するべき存在なんですが、
ミンダナオ島東部では、まあ、何というか、差別されています。
良い漁場はセブの方から移住してきた人たちに奪われ、漁では生きていくことができなくなり、
街中で物乞いやゴミ漁りなどで暮らす人が増えたからです。
(動画はBBC製作の、バジャウの素潜り漁の様子です)
フェンスの向こう側でものすごく上手な太鼓演奏とダンスを披露するこどもたちと、
フェンスのこちら側でそれを見ているこどもたち。
孤児院であるHOJにとっては、とても複雑な気分というか、福祉局は何やってんだよ!って思うところでもありますが、
当人たちにはそんなわだかまりはないようで、「やった!結構稼げた!」「すっごい!上手だったね!」といった具合に、
お互いにとって楽しい時間になりました。バドンが一緒に踊り始めたのもすごく良かったです。
「単なる物乞い」ではなく「パフォーマーへのチップ」だったのが救いです。
私も道や公園や観光地でお金を稼ぐパフォーマーの端くれなので、
彼らが手ひどい差別に遭わず、村々での祭りで歓迎されることを祈りたいです。
バジャウに関しては、セブで実際にバジャウの娘さんと結婚して、
そこにゲストハウスを建てて体験ツアーとかをやっている日本人の若者がいるそうです。
http://hiromumatsuda.hatenablog.com/
興味がわいた方はそちらも覗いてみてくださいね。