先日、HOJとも関係の深い、元市長のシアーノさんがマニラの病院で亡くなりました。82歳でした。
HOJに何度も来ている方は「アイダさんのお姉さんが市長さん」というのを覚えているかと思いますが、
亡くなったのはそのお姉さんの旦那さんです。
1981年に烏山さんが青年海外協力隊員としてきた時は彼が市長さんだったんです。
シアーノさんの父親が中華系の移民で、この町を開拓し、市にまで発展させた「町の功労者」なんですが、
彼はその父親の地盤を引きついで市長になり、非常に温和で敵を作らない性格で、町の人たちに愛される存在でした。
エリート主義の父親の反対を押し切って、決して裕福な出自なわけではない、とても優秀な地元の女性と結婚、
その相手が、アイダさんのお姉さんだった、というわけです。
HOJのこどもたちを連れて弔問に行きました。
彼がいなければ烏山さんとアイダさんは出会っていなかったかもしれないことを考えると、
まさに影の功労者だったわけです。シアーノさん、本当にありがとうございました。
会場は集まる町の人たちと花でいっぱいで、あちこちですすり泣く声と共に
「俺はシアーノさんに借金したままだった」「いつも飲み会の金は全部出してくれた」
「私を大学まで行かせてくれたのは彼だった」「うちの母の手術代も出してくれた」
「彼のおかげで神学校を卒業できたのに、結婚して神父をやめてしまった、でも息子の名付け親になってくれた」など
数々のエピソードのおしゃべりで会場はにぎやかで、時には爆笑まで起こってました。
彼の人柄が会場によく表れていて、とてもいい葬儀だと思いました。
シアーノさんのご冥福を、みなさんもお祈りください。