久々に通訳の仕事で、日本のテレビ局の撮影に同行し、フィリピン残留日系人の方々に会ってきました。
戦前に移住してきた日本人が、日本軍がフィリピンに攻め込んできたことで普通に暮らすことができなくなり、
多くのその妻やこどもたちが、フィリピンに置き去りにされました。
フィリピン人からは「日本人」と差別され、日本政府からは日系人と認定するには証拠が足りない、と言われ、
つらい思いをして生きてきた方々がたくさんいるんです。詳細はこちらの記事をご覧ください。
中には日本国籍が認められ、孫の世代まで「日系人」として日本に働きに行けるようになり、
貧しい暮らしから抜け出せた一族もいますが、証拠が見つからないまま高齢で亡くなり、
日系人と認められる可能性が断たれてしまう方々もいます。
実は数か月前に、日本の首相が「無国籍状態になっているフィリピン日系人の国籍取得を支援する」と約束したんですが、
その後、選挙で忙しいのか官僚の仕事が遅いのか、話が進まないまま時間がたち、
高齢の日系人の方々は、この半年の間にも少しずつ、亡くなっています。
一刻も早く、彼ら、彼女らの長年の願いが叶うことを祈りたいと思います。
ちなみにこの番組の製作をしているのは、私が学生時代にハウスオブジョイに出入りしていた頃に会って
仲良くなった友人です。その後、テレビ局に就職し、ずっとこの日系人の問題を扱う番組を作り続けています。
今回も、蚊やヘビにおびやかされながら、炎天下の藪やトウモロコシ畑で想いカメラを抱え続けていて、
旧来の友人の立派な職業人としての姿を見ることができ、私もがんばらなきゃな、と思いました。
今回の撮影は、8/15に戦後80年の番組として放送される予定です。
また時期が近づいたら告知しますので、ぜひみなさんもこの問題に関心を寄せていただければ幸いです。