さあ、いよいよ里帰りの季節です。
まずはダバオから来ている子たちと、比較的近所の子たちを里帰りに連れて行きました。
アルジェ、エミリー、バドンの3人は、お姉ちゃんたちが住んでいる実家へ。
ただ、お母さんには最近新しく男ができてその家に入り浸っており、あまり実家に帰ってこないとの不穏な噂。
この4月でHOJを晴れて卒業!という予定通りにはいかなくなりました。
4月中に、当事者であるお母さん、この地域の地区長さん、地区担当のソーシャルワーカー、
そしてうちのソーシャルワーカーで会議をして、今後のことを決めることになりますが、
おそらく5月には、いったん3人そろってHOJに戻ってくることになりそうです。
この子たちがHOJに戻ってくる!というのは、嬉しいようで、哀しいようで、とても複雑な気持ちです。
せめて、この夏休みにお母さんが、この子たちにたっぷり愛情を注いでくれることを祈りたいと思います。
さて、お次はHOJから車で15分ほどのヤシ畑の中にポツンと住んでいる、ジェレミーたちのお母さんの家に行きました。
飼っている豚も犬もちょうど最近こどもを産んだようで、子犬と子豚とヒヨコがそこいらじゅうを走り回っているという、
なんとも牧歌的な環境です。昔はあまり実家が好きではなかったジェレミーも大喜びです!
ジルマーも元気です!
ちょっと反抗期で、学校に行くのが嫌だと言い出して学年度の途中から実家に帰ってしまったジルマー。
その後、何度家を訪問しても、決して家から出てこない頑固さを見せていたんですが、
ようやく落ち着いたんでしょうか、今回は笑顔で出迎えてくれました。まあ、少年にはそんな時期もあります。
「ほら、ジルマーのぶん、おもちゃとっといてやったんだぞ!」と、日本の方からいただいたおもちゃを渡すと、
とても照れくさそうに「ありがとう」と言ってきました。
まあ、本人次第ですが、6月からはまたHOJに戻って来てくれればいいなあ、と思います。
ジュリアン、いつの間にかお母さんよりも背が高くなっています。
まだ歩くのには歩行器が必要ですが、ここまで回復したら、なんでも周りの人がやってくれるHOJにいるより、
この大自然に囲まれた中で過ごしたほうが、療養にもちょうどいいそうです。
27日の誕生日までには歩行器なしで歩けるようになるように、みなさんお祈りくださいね!
さあ、明日は車で片道4時間くらいかけて、ジャンジャンたちと、ロウィーたちを実家に送ってきます。
アビゲルにも久々に会えますのでみなさんお楽しみに!
卒業式も終わり、こどもたちはこれから夏休み!
里帰りする前にみんなで遠足をしよう、ということになり、「どこに行きたい?」と聞いたら、
満場一致で行先はダバオに決定!…しまった、マティに行くより3倍お金がかかるじゃないか。(笑)
でもまあ、せっかくですからね。みんなでジープに乗り込んで、日帰りでダバオに行くことにしました。
朝の6時にHOJを出発し、ダバオに到着してまずは町はずれの丘の上へ!
ダバオの町を一望しながら、頭上を通る飛行機を見てみんな大喜びです。
お次の行く先はショッピングモール。エレベーターやエスカレーターに乗ったり、
洋服売り場やペットショップ、おもちゃ売り場を散策して、1ペソも使わずに楽しみました。
「孤児院から遠足で来たんですよ」って言ったら、おもちゃ屋の店員さんも
笑顔で「触っていいですよ」って許可してくれました。ありがとう!いつか買いますね!(笑)
お昼ごはんは定番の、ごはんおかわり自由のバーベキューハウス。
たんまり食べた後、バドンの手と顔が米と肉汁でべとべとになっていたので、洗いなさいって言ったら、
手を乾かす機械で顔を乾かして大興奮してました。ああ、楽しそう。(笑)
それから今回の旅のメイン、クロコダイルパークへ!
その名の通りのワニ園ですが、他にもトラやダチョウ、オランウータンなどがいる、わりと本格的な動物園です。
でも、熱帯の島だからか、動物たちはみんななるべく動くまいと決めているようで、
じっと見ていてもほとんど動いてくれません。
でも大丈夫!ちゃんとクロコダイルパークには「エサやり体験サービス」というのがありまして、
ちょっとお金を払うと、動物たちにエサをやらせてもらえるんです。
魚釣りの要領でワニやトラにエサをやるのはスリル満点でした!
さっそく動画にしたのでぜひご覧ください!こどもたちだけでなく、スタッフたちもすごく楽しそうに映ってますよ!
年度の締めくくりにふさわしい、とても楽しい遠足になりました。
いよいよ明日からはこどもたちが「里帰り」。その前にすごくいい思い出ができました!
「コヤシン!イカを売りに来た人が探してるよ!」
ちびっ子たちと遊んでいたら、こんなふうに呼び出されました。
俺はイカは買わないよ、買うかどうかはスタッフのおばちゃんに聞いてくれ、って返事したら、
「いや、コヤシンを呼べって言ってるよ」としつこいので、
そんなに俺にイカを売りたいのか、と行ってみたら、「コヤシン!久しぶり!」と言われました。
えーと…、誰だっけ?と頭をフル回転させること約5秒。…エルバートだ!!
このブログの「おすすめの記事」にもなっている「不良と呼ばれていた少年」です。
彼は幼い頃、生きていくために盗んだり忍び込んだりを繰り返していたため、
誰からも名前を呼ばれることなく、「ボゴイ(不良)」と呼ばれていました。
HOJに入ったはいいものの、盗み癖と放浪癖はなかなかなおらず、
結局小学校も卒業できずにHOJを出て行った彼ですが、
7年前にひょっこり顔を出して、立派に働いていることを報告してくれたんです。そのときの記事がこちら。
「久しぶりだな!何?漁師になったの?」
「いや、漁師になったわけじゃなくて、バイクを買ったからイカを売りまわって稼いでるんだ」
「へえ、これ、自分のバイク?」
「うん、まだまだローンが残ってるけどね」
「あれ?ひょっとして一緒にいる女の人は…」
「うん、奥さんだよ」
「マジで?いつの間に?っていうかお腹が…」
「うん、妊娠中なんだ。だからさ、イカ買ってよ(笑)」
…というわけで、大量にイカを買いました。
いやー、卒業生が立派になって帰ってくるのは本当に嬉しいですね。
無事にこどもが産まれるまで、当分イカを食べて暮らすことになりそうです。(笑)
イカ刺し、イカアドボ、イカのキニラオ、イカリング、イカパスタ…あとは何があったかな?