HOJのスタッフ、ガガさんのお姉さんが働いている教会の施設に、
困っている子たちの情報が集まっているということなので、様子を見に行きました。
場所はラニパオという内陸部の村で、距離的には近そうに見えますが、
曲がりくねった山道が多いので、行くのには2時間以上かかります。
辿りついた村はまさに「山村」。標高が高くて涼しいので、松の木やアジサイなんかもあって、
まるで日本の田舎のような風情です。この山道を30分ほど歩いてこどもたちの家に行くんですが、
いつものサンダル姿で行ったら、見事にヒルにやられましたよ。(笑)
こちらが件のこどもたちの家。山の中にポツンとあって、電気も水道も来ていません。
お父さんが木こり(チェーンソーで木を切る仕事)をしてなんとか生活していますが、
最近の学校では「インターネットで調べて提出」みたいな宿題が増え、
「電気のない家でどうしろって言うの?」ということで、就学をあきらめかけているとのことです。
ハウスオブジョイの説明をしたら、お父さんも本人も乗り気で、兄弟2人がうちに来ることになりそうです。
この後、さらにもう一軒の家を訪問し、そこでも2人の兄弟が育児放棄状態とのことなので、
うちで受け入れる方向で話を進めることにしました。
ただ、問題なのがこの地域の行政区の区分けです。ここでもういちど地図の、黒い境界線を見てください。
このラニパオはHOJやマティのある県「ダバオオリエンタル」ではなく、
パントゥカンという町を中心とした県「ダバオデオロ」の一部なんです。
つまり、書類手続きをするには、パントゥカンに行かなきゃいけないんですが、
なんとラニパオとパントゥカン、道がつながってないんです!
上の地図で見ての通り、マティを経由してグルっと回らないと行けないので、片道で3時間半かかります。
いやー、フィリピンでこれまで、いろんな理不尽を見てきましたが、ここまで酷いのは久々ですよ…。
しかも今は選挙前で役所の人たちは選挙活動に駆り出されていて、通常の業務が一切進みません。
しかも「選挙活動」の中身は「金をバラまいて票を買って回る」なので、
「選挙は民主主義のために必要なんだから優先されてもしょうがないな」って気分に全然なりません。
幸いなことに来週の月曜には選挙が終わるので、それから本腰を入れて動くことになりそうです。
大人のくだらない都合でこどもたちの未来が邪魔されることが少しでも減るように、
できる限りのことをしたいと思います。
ジャンジャンがノリノリなテンションでやってきました。お?どうしたその服?
聞けば、ジェイエムがくれたとのこと。ため込んでいたお洒落な服を受けついだようでご機嫌です。
よかったな、ジャンジャン!
さて、こどもたちもビジターさんたちもいないこの期間に
シロアリの被害が酷いゲストハウスの天井を修理することにしました。
8年でずいぶん食われちゃいました…。
柱や梁、窓枠などの頑丈な木材は大丈夫なんですが、表面に貼ったベニヤが軒並みやられてました。
いっそコンクリート造りにすればいいのかもしれないんですが、
そうするとものすごく暑くなるのと、なにより風情がなくなるんですよね。
そんなわけで、田舎暮らしのコストとして、修復しながら使っていく道を選ぼうと思います。
地元の若い大工たちの雇用にもなりますしね。
上の写真の後ろの2人、20歳そこそこですが、2人とも子持ちだそうです。しっかり稼がせなきゃですね!(笑)
来週に選挙をひかえ、選挙ポスターが町中に貼られています。
日本のように「指定された場所にしか貼ってはいけない」みたいなルールはないので、
財力にまかせていたるところに貼られています。
たまに、応援してるわけでもない人のポスターが私有地内に貼られることもあって、もちろんすぐに剥がします。
ちなみにこの人は新興宗教の教祖で、人身売買と児童買春で逮捕され、裁判待ちの人。
なんと留置所から上院議員に立候補してます。ウラワビーチに勝手に貼られてたので速攻で剥がしました。
昔の選挙ポスターが貼りっぱなしになっていたり、単に頑丈な布として再利用されてたりするので、
たまにものすごく皮肉が効いたことも起きます。
こちらは3年前の大統領選のポスター。今はお互いに殺人をほのめかすような脅迫をし合うまでに仲たがいしている
マルコスの息子(大統領)と、ドゥテルテの娘(副大統領)。当時は手を組んでたんです。
今コレが掲げられているのはなかなかに風刺が効いています。
ちなみに私が個人的に一番ゆるせないフィリピンの選挙文化は「選挙カーの替え歌」です。
著作権を完全に無視して、有名な歌の替え歌で候補者の名前を連呼して回るんですが、
たまに「私が好きだった曲」を替え歌にしやがる候補者がいるんですよ。
これ以上の冒涜がありますか!(笑)こればかりは早急に違法にしてほしいです。