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    私たちの町の「最後の産婆さん」

    今日は撮影の合間をぬって、看護師と助産師の資格を持っているというビジターのタマさんを
    この町の「最後の産婆さん」であるスィンタさんの下に連れて行きました。
    ひと昔前までは産婆さんが赤ちゃんを取り上げるのが当たり前だったこの地域も、
    法整備が進んで無資格での産婆さんは違法となったため、「昔はどうだった?」という話を聞きに行ったんです。

    ですが話を聞いてみたらびっくり!
    「最後にやったのはいつ?」と尋ねたら「えーと、1月かね?」との返事。えっ?禁止になったのでは?
    詳しく聞くと、最近、近所の若い女の子が妊娠し、急に産気づいて病院に行く途中に破水し、
    なんと行く途中でバイクを降りて、付き添っていたスィンタさんが市場の片隅で赤ちゃんを取り上げたというんです。
    すごい、そんな映画みたいな出来事が!

    さらに話を聞くと、10年前くらいからやっていなかったけど、コロナ禍に「病院に行きたくても外出できない」ケースや
    病院に行っても医者や助産師がワクチン接種などで忙しくて間に合わない」ケースが多かったそうで、
    「必要ならやったるわよ」という感じで現役復帰したんだとか。た、頼もしい!

    「でも、違法なんだよね?大丈夫なの?」と聞いたら
    「大丈夫よ!警察だって医者だって、さすがに文句は言ってこないって。もし言ってきたらこっちが文句言ってやるわ。
    アタシがやんなきゃ赤ちゃん死んでたろ!って。そもそも、アンタのお母さんを取り上げたのもアタシだよ、ってね
    と、これまためちゃくちゃカッコいいことを言ってました。無敵すぎる…。

    現在は何十人もの孫に囲まれて暮らすスィンタさん。成長した孫に食わせてもらってもいいお歳ですが、
    今でも自分で山に薪を取りに行き、海に漁に行き、近所の人が熱を出したり骨折したりするたびに駆けつけて、
    マッサージしたり、謎の薬草を調合したり、骨接ぎしたりして活躍しています。
    彼女のような人をこそ、私は心から尊敬します。いつまでもお元気で!


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