日本から来ている教育学部の学生たちが、どうしても小学校を見てみたいと言うので、
日曜にちょっと小学校に行ってみました。
誰もいないだろうな…と思っていたら、教室に先生がいたので挨拶すると、ペンキ塗りの真っ最中。
「なんで担任の先生が、休日にペンキ塗りを?」と思ったら、
なんと「教室の内装は『まっさら』にすること」というお達しが教育省から出たとのこと。え?何それ?
小学校の教室と言えば、むしろ装飾過多なくらいに掲示教材や壁画でデコレーションされているのが一般的です。
町のシンボルである山や滝、鷲などを壁画として描きこんだり…
イスラム教、キリスト教、少数民族の子が入り混じる学校では、それぞれの礼拝の姿を壁画にしたりしていました。
すばらしいじゃないですか。ねえ?
HOJで支援して作ったサンロケ小学校の「未来教室」にも、学習支援のためのさまざまな
掲示教材が飾ってありました。全部、先生方が工夫して、時間をかけて、自腹まで切って用意したものです。
ですが、教育省からのお達しで、掲示物はすべて剥がし、壁は一色に塗りつぶすことになりました。
理由は「教室環境の改善」だそうですが、だったら扇風機を設置するとか、
ちゃんとした机を用意するとか、黒板をマグネットつくやつにするとか、まともなトイレを設置するとか、
いくらでも先にやることがあるように思います。
さらには「生徒が授業中は掲示物ではなく、先生と黒板に集中すべき」と教育省は言ってるんですが、
生徒は授業以外の時間だって教室で過ごします。
また、授業が先生の独演会だという考え方も、あまりにも前時代的です。
教育について、現場レベルでかかわったことがまったくない人たちが決めた制度なのは明白です。
早く「そういえば昔、そんなこともあったねえ」と笑い話になって、
また教室がにぎやかに彩られる日が来ることを願います。