• 09
    20
    記録すること、それを検索可能なかたちで保管すること

    出張最終日は、戦争で離ればなれになってしまった親族を探すために日本から来た方に同行しました。
    80年以上前の記憶を頼りに、たぶんここだと思う、という海や、家があった場所を巡りました。

    なかなか有益な情報が得られないまま、地元の役所へ。
    「ひょっとすると役所に書類が残っているかもしれない」とのことですが、
    つい数年前に生まれたこどもたちの出生証明書でさえ、紛失していて見つからないようなことがよくあるのが、
    フィリピンの田舎の役所です。私はたぶん無理だろうと思いながらも、立場は「通訳」ですから、意見は言わずに同行しました。

    最初は怪訝な顔をしていた役所のスタッフたちですが、
    「この人は日本人なんだけど、この町で戦前に生まれてるんだ。
    で、この人は日本に帰れたんだけど、弟さんや妹さんはこっちに取り残されたんだ。
    昔この町に住んでたことは間違いないんだけど、ご本人や、きょうだいの書類って残ってないですかね?」と事情を説明すると、
    「え?この人が?本人なの?え?何歳?え?90歳越えてるの!本当に?」と興味津々。スタッフ総出で大捜索が始まりました。


    「昔の記録台帳がこっちにある」と古い資料が出てきて、それをくまなく見ていくと、妹さんの名前を発見!
    その台帳に載っていた申請年月日の情報を基に、こんどはその年の書類の束を漁り…なんとご本人の出生証明書が見つかりました!すごい!!

    役所の人たちも大喜びで「あなたは確かに、この町の出身者です!おかえりなさい!」と、
    みんなでスマホ片手に押し寄せて、一緒に写真を撮ってました。
    記録を残すこと。それを検索可能なかたちで保管すること。
    その大切さを痛感する出来事でした。
    HOJに入って来る子たちもみな、一歩間違えば記録がなかったかもしれなかった子たちです。
    しっかりと記録し、確かにここにいたことを語り継いでいきたいと思います。

    JOIN TO JOY会員募集中!登録はこちらから!

    HOJも大助かり!お買い物は便利なアマゾンで!


    『歓びの家(House of Joy)を支える会』に、いいね!やシェアだけで支援金を届けられます。~ NPO/NGOを誰でも簡単に無料で支援できる!gooddo(グッドゥ) ~