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    ダバオの「ゴミ山」に住むこどもたちの支援活動

    きのうはダバオ市にあるゴミ捨て場についての基本情報をお伝えしましたが、
    今日はその続きで、そこでこどもたちのために行われている活動についてお伝えします。
    ここ最近、何度かHOJに来てくれているアイさんが、ここで幼稚園を運営しています。
    もともとはドイツのNGOが入っていたのが、撤退してしまったので、
    現地スタッフさんたちの給料を肩代わりするような感じで、活動を引き継いだそうです。

    前はトラックの行き交う道路のそばに施設があったそうですが、
    より、こどもたちの家に近い場所に土地を買い、建物を建てて、そこにこどもたちを集めています。
    平日は午前中の2時間の活動で、近隣のこどもたち14人くらいが集まるそうです。
    そもそもここは「不法居住区」なので、幼稚園にも認可が下りるはずもなく、
    未認可、つまり、行政からは何の支援もない状態で活動を続けています。

    日曜には「炊き出し」をやるので近隣のこどもたち50人くらいが集まります。
    私は日曜に活動を見させてもらったので、たくさんのこどもたちに囲まれることになりました。
    みんな明るく元気でお行儀も良く、恰好も清潔に保っていました。
    「ゴミ山の中で暮らしているこどもたち」というステレオタイプには当てはまらない感じです。

    この日はお菓子を配ったんですが、HOJでこどもたちにお菓子を配る時の口癖で
    「ゴミはゴミ箱に!」と言いそうになって、私は言葉を飲み込みました。
    町中のゴミ箱に捨てられたゴミが集まるこの場所で、「ゴミはゴミ箱に!」という言葉はあまりにも空疎です…。

    こどもがゴミ拾いに行くことは制度上は禁じられているそうですが、もちろん住んでいる人たちが守っているはずもなく、
    こどもたちもゴミ拾いに行くのが常態化しているそうです。
    ガラスや鉄片、まぎれた注射針などでケガするリスクもありますし、
    仮にゴミ拾いに行かなかったとしても、ゴミの崩落、発火、水源汚染、ガス発生などのリスクはあります。

    この状況を抜本的に解決しようと思ったら、
    「最新技術で、あまり有毒ガスが出ないゴミの処理場を作る」
    「きちんと退去料を払い、退去後の住まいを保証し、退去後の暮らしのために職業訓練も行う」
    「そもそもゴミの量を減らすべく、商習慣、消費習慣を変える」
    といった、ものすごく大がかりな、時間とお金のかかる対策が必要なわけですが、
    外国人が運営するNGOにできるラインを大幅に超えているのは言うまでもありません。

    ならば少しでも、現状の中でこどもたちがマシな暮らしができるようにと、
    ここに幼稚園を作って、毎週ここに通い、住民たちと関係づくりをして、
    いざという時に支援ができるかたちを保ち続ける、というのが最適解なのかもしれません。

    HOJに来る方で、この活動に興味のある方、支援したいという意志をお持ちの方は、
    ぜひ事前にご連絡ください。あまり大勢でゾロゾロと行くのは微妙なので、
    3~4人を上限に案内してくれるそうです。
    この活動は「より手厚くする」ことや「より大きく広げる」ことよりも
    「地道に長く続けて、いざという時に支援してくれる仲間を増やす」のが
    何より大事だと感じました。みなさんも興味を持っていただければ幸いです。


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