きのうはビーチでずっと掃除をしていたわけではありません。
後半はみんなでヤシの葉から「ホウキ」を作っていました。
ウィリアムが木に登って枝を取ってきました。一本の枝からだいたい2つのホウキが作れます。
葉の真ん中の芯だけを残して、葉っぱの部分をそぎ落とします。
みんな器用なもので、おしゃべりをしながらどんどん作っていきます。
この作業のことをビサイヤ語で「バゴス」と言います。
翻訳すると「ヤシの葉っぱをそいでホウキの材料をつくる」でしょうか。
これが一言で言い表せるくらい、この作業は生活に密着しているということです。
使っている道具はこれ、なんとコーラやビールの瓶のフタです。
石を使って、潰してから研いで、小さなナイフのようにします。
この道具にも「タンサン」という固有の名称がつけられています。恐るべし、ビサイヤ語。
「タンサン」で「バゴス」した葉の芯を束ねれば、ホウキの完成です。
庭や道の掃除に適した、頑丈なホウキです。
なんとこのホウキ、日本の「無印良品」で「フィリピンのホウキ」として売られているそうです。
http://www.muji.net/foundmuji/2012/03/031.html
値段は一本1050円!
…このことを知ったらこどもたちもスタッフたちも、眼の色変えて「バゴス」しそうですね。
どの国でもそうですが、ホウキというのは用途によってバラエティがあって面白いです。
屋内用、屋外用、卓上用、クモの巣取り用…。ちなみに私のは「演奏用」です。(笑)
ちなみに今回のホウキづくりはなんと、学校の宿題でした。
「ヤシの枝でホウキを作って持って来なさい」なんて、なかなかいい宿題ですね。
日本の学校でもやればいいのに…って、ヤシが生えてないか。(笑)
みんなで同じ作業をするのでも、やっぱりこどもの個性というものははっきり現れます。
こどもたちの、それぞれの「落ち葉の集め方」を見てみましょう!
まずはアナマリス。ちゃんとHOJからホウキを持ってきています。用意周到。賢いですねー。
エリックは棒で突き刺して落ち葉を集めています。
意外と効率は悪くないし、なんとなく気分はハンター。楽しみながら作業できていい感じです。
ジェプリルは流木と袋をつなぎあわせて、「担架」を作りました。
クリスチャンとのコンビで、集まった落ち葉を一気に運んで焼却場へ。
こういう「役に立つ工作」はジェプリルが抜きんでてますね。
(マディーの工作は武器とおもちゃ限定なので)
ノエルは発想の転換!スコップで穴を掘ってその場に埋めるという作戦に出ました。
なるほど、そういう片づけ方もアリですよね。
「男らしい作業」をすすんでやりたがる年頃のノエル。成長が楽しみです。
集めた落ち葉は燃やしたんですが、量が量だけに、すごい煙です。
煙くて煙くてしょうがない、とみんなで顔をしかめていたところで、
「天国みたいだ」とロジャーが一言。
たった一言で、けむたさが神々しさに変わりました。
マイナスだと思っていたものが、たった一言でプラスになる。
そんな一言を、発せられる人間になりたいですね。
ダバオに戻ったら、久々にクリスティンに会いました!お帰り、クリスティン!
結婚して家庭を築いているお姉さんの家で夏休みを過ごしたクリスティンですが、
休み中に離れ離れだった弟たちにも会えて、とても充実した毎日だったそうです。
ロランはアルバートは元気ですかね。私も今度会いに行ってみようかと思います。
ジェイエムはさっそく、烏山さんの散歩の「杖係」になっています。
頭の位置がちょうどいいんでしょうか。なんだか二人とも嬉しそうで、私も嬉しいです。
ジェイエムはジェレミーと一緒に幼稚園に通い始めました。
さっそくカバンを出してきて、ノートを見せてくれました。
みんなと同じように勉強できることが嬉しくてしょうがないみたいです。
本当に、この子に出会えてよかった、と思います。
ジェレミーも負けじとノートを見せてくれました。
ずっと憧れていた「学校」ですからね。本当に嬉しそうです。
実は今年度からフィリピンではいろいろ教育制度が変わりました。
中でも私が注目しているのは「小学校低学年は、現地語で授業を行う」ことになったことです。
何を当たり前のことを、と思うかもしれませんが、実は今までは違ったんです。
公用語に指定された「英語」と「フィリピノ語」だけが認められていて、
フィリピン各地の言葉は、言ってみれば「禁止」されていたんです。
私の知る限り、母語で基礎教育を受けられない国が発展している例はひとつもありません。
この制度がどれだけ学校で周知徹底されているかはまだ分かりませんが、
ひょっとするとこれは、この国が大きく変わる一歩かもしれません。
ジェレミー!ジェイエム!未来は君たちの手の中だ!!