ラッセルが「ボクも楽器弾きたい!」と言ってきました。
ビジターさんたちの前でジャンジャンやジャンデルがいろんな楽器を弾いては
「すごーい!」ともてはやされている姿を見せられてましたからね。
さっそくピアニカでキラキラ星を教えたら、ちゃんと集中して練習するので、
これは脈ありだぞ?と本腰を入れて教えてみたら、すぐにそれなりに形になりました。まずはお聞きください!
ラッセルに教えるのにかかりっきりになっていたら、追いつかれる不安か、師匠を奪われる不安か、
ジャンジャンが「コヤシン、合奏しようぜ!」と誘ってきました。かわいい奴め。
何を弾く?って言ったら、なんと、「ハッピーバースデー」を演奏してくれましたよ。
ジャンジャン、ありがとう!
楽器に惹かれる子がいる一方、アリエルは絵の方に惹かれたようです。
これまたジェレミーやジャンデルが自分の描いた絵をビジターに見せて賞賛されてましたからね。
「僕も絵、描きたい」と言うので紙と鉛筆を渡してやると、何も言わずにスイスイと家を描き始めました。
「それ、アリエルの家?」と聞くと「そうだよ」との返事。
これは自分の実家をどう思っているのかを知るいい機会だな、と見ていたら…。
完成した絵はこちら!二階建ての家に庭、食卓を囲む大勢のこども、外に干された洗濯物、
外に止めてある車、最近上空を通ったヘリコプター…。そう、これ、ハウスオブジョイですよ!
しかも、食卓はよく見ると、お誕生日席に大きな人物が座っていて、その前には青い色のケーキ…。
さっきの私の誕生日パーティーじゃないですか。そうか、これが「アリエルの家」か。ありがとうな、アリエル。
アリエルは口唇口蓋裂で生まれ、赤ちゃんの時に手術を受けているので見た目にはあまりわかりませんが、
はっきりとした発音が難しい子音がいくつかあり、それがコンプレックスになっていて会話コミュニケーションが苦手です。
絵、という世界にこうやって興味を持ってくれたのは最高なので、「アリエルの家」を預かる者として、
存分にこの世界を広げてやりたいと思います。
今日は私の46歳の誕生日!朝もまだ早い時間にこどもたちに
「コヤシン!誕生日おめでとう!」と起こされました。素敵な1日の始まりです。
こどもたちとスタッフの「誕生日おめでとう」挨拶を一周終えて、軽く二度寝でもするか…
と思ったら、私の右手が猫の枕にされたので、思いのほか長時間ダラダラ過ごすことになりました。
まあ、先日がんばったぶん、このくらいの休息は誕生日なのでアリでしょう。(笑)
さすがに起きだして、こどもたちと遊ぶ時間です。
ビジターの前で楽器を披露する私やジャンジャンに触発されて、ラッセルが「教えて!」と言ってきました。
昨日、今日とみっちり教えていますが、集中力もあるし、なかなか筋がいいです。
明日あたりに動画つきで紹介するのでお楽しみに!
それからお昼ごはんの準備でバーベキュー。壊れた冷蔵庫の裏の金属部分を網にしてます。
ちなみに扇風機のカバーも網として優秀です。
冷やすために作られたものが、役目を終えた後に焼くのに使われてることに
なにか運命の皮肉のようなものを感じるのは私だけでしょうか。私だけでしょうね。(笑)
食後にのんびりしていたら、なんと、こどもたちがお小遣いを出し合って、アイスを買ってくれました。
安物の、すぐ溶ける、甘ったるい紫芋のアイスですが、自作の器に入れてチョコ兄さんのカカオニブをかけて、
これまた自作のスプーンで食べると、なにげに高級な感じになります。
なにより、こどもたちが買ってくれた、ってところがポイントですよ。みんな、ありがとう!
それから「誕生日には自分へのご褒美でコレを食べるんだ!」と決めていたスモークチキン作りです。
竹サックスの廃材を燃やしてチキンを燻すこと約2時間。ずっとチムレイが手伝ってくれました。
竹サックス作りの時に竹の表面を焦がすとき、そしてその焦げを落とすためにひたすらヤスリをかけるときの
えもいわれぬいい香りが、チキンの中に乗り移って、口に広がります。たまりません。
一回に少量しか作れないので、食べたい方は少人数でHOJに遊びにお越しくださいね!
とまあ、私の誕生日の過ごし方など、需要があるのか微妙ですが、
普段なら夏は日本に出稼ぎに行く私がHOJで誕生日を過ごすというのは稀なことなので、
ちょっと詳しめに紹介しました。あとはこどもたちが寝てから、Amazonプライムで映画を見れば1日のしめくくりはバッチリです。
おそらく名作であろう「13人の命」を見るか、おそらくB級であろう「ムーン・フォール」を見るか。
私の誕生日には後者の方がふさわしそうだなあ。よし、やっぱりそっちを見よう!(笑)
20年以上も前のこと。烏山さん夫妻の元に、こんな話が舞い込んできました。
「私の家族が日本で出稼ぎをしているのだけど、工場で事故があって右手を失った。
でも、エージェントは何もしてくれない…。どうしたらいいんだろう…」
烏山さん夫妻はすぐに、仲良くしていた日本の神父さんに連絡し、その神父さんが動いてくれたおかげで
彼は労災認定を受け、きちんとした治療を受け、帰国後もずっと障害年金をもらえることになりました。
HOJに恩義を感じていたその彼が、今日、家族を連れてHOJを訪問してくれました。
彼が工場で稼いだお金と、労災で得たお金で、弟さんが大学まで通って看護師の資格を取り、
アメリカで働いてアメリカ人の看護師さんと結婚して家族をもうけて、今ではとても楽しく暮らしているとのこと。
「あの時助けてくれなかったら、この幸せはなかった。この甥っ子たちもいなかった。本当に感謝しています」
アメリカンなサイズとデザインのTシャツと帽子、アメリカンなサイズと味のお菓子をたんまりもらいました。
イージェイがラッパーみたいになってます。(笑)
ネルジーにももらった帽子は大きすぎるようですが、本人はすごく気に入ったようで、
さっきかぶったまま水浴びしようとして「いったん脱ぎなさい!誰も盗らないから!」と叱られてました。(笑)
話を聞いてすぐに動いた烏山さん夫妻と佑川神父さん。
ちゃんと申請すれば手厚い支援をしてくれる日本の制度。
そして、恩義を忘れずにHOJに恩返しに来てくれた彼の人間性。
世の中捨てたもんじゃないな、と、しみじみと思わされました。